建設業界の解決しなければならない課題は資材高騰と人手不足の問題

建設工事業情報ラボ

東京オリンピック需要がおさまったとはいえ、建設業には明るい話題が多いといえます。

たとえば国土強靭化計画や2027年のリニア新幹線開通に加え、高度成長期に建てたマンションの修繕にインフラ整備など、今後も仕事は増え成長していく業界と考えられています。

しかし建設業は不況から脱却しすでに追い風が吹いているという意見もある中、大きな課題を抱えており、その問題を解決できなければ将来はないといった意見もあります。

そこで、建設業界は今どのような課題を抱えているのか、将来の展望に向けてどうすればよいのかご説明します。

資材の高騰でコスト負担が重い

建設業の現状を把握する指標として、過去20年分の受注高を確認してみると、1996年度から減少の一途をたどっていた状況が、2010年度以降からは増加傾向へと転じています。

これは国土強靭化計画や震災復興需要などが背景にあると考えられますが、受注高だけ見れば十分に先行きが明るい業界と判断できます。

しかし今、建設業で課題とされているのは資材の高騰と慢性的な人材不足です。

仕事が増えれば資材の需要も高まるため、値段も上がることが予想されます。

もともと2012~2014年の間に10%程度値段は増加しているのに加え、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、中国から一時的に資材が輸入できないといった問題も発生しました。

さらにアメリカで2020年の夏ごろから耳にすることが多くなり、日本でも2021年3月から表面化したのが、需要のひっ迫で木材価格が平時の数倍へ急騰するウッドショックです。

木材が不足している中で、ハウスメーカーなどは手あたり次第に発注を掛け、取引価格が加工業者の言い値になるといった状況が起きました。

ウッドショックに加え人手不足で現場は回らない状況

さらに建設業界は、従来から慢性的な課題として挙げられている人材不足は解消されていません。

1997年度を境として建設業の就業者数は減少し、2013年は過去20年で最低の数値です。

2010年度以降は受注高が増えているのにも関わらず、人材は減少が続いており、さらに既存の職人の高齢化も進んでいます。

資材の高騰と慢性的な人材不足という課題が解決できなければ、どれほど多く工事を受注しても利益を生むことができません。工事自体、受注できない状況を作ってしまう可能性もあるでしょう。

建設業は他産業と比較しても利益率が低い業界のため、建設需要が高まり景気がよい業界だと他業界からは見えても、実際にはとても厳しい状況にあると考えられます。