経営者が検討したい生命保険での事業承継対策とは?

企業経営情報

2015年1月に相続税法が改正されたことにより、増税になることから事前に相続対策を検討する経営者も多くなったと言えるでしょう。
その中でもポピュラーなものが「生前贈与」ですが、この生前贈与に活用できるのが生命保険です。個人の相続対策だけでなく、中小企業の後継者に株式を移す時に活用できますので経営者が検討したい方法だと言えるでしょう。

企業の事業承継と生命保険
仮に中小企業の経営者の2人の子が会社の株式を保有している場合、このいずれか一方に会社を継がせるなら51%以上持つ(過半数)ことが必要となります。
そのためには会社を継がない子に株式と同等分の資産を渡すことが必要になるでしょうが、その際に生命保険が役立ちます。

法人契約の場合には保険料が損金扱いになる
法人が契約者、被保険者を経営者にして保険料は会社が支払うことで損金扱いになります。損金は法人税を算出する際の費用で、会計上会社に必要だったお金だとしても費用として認められないものがあります。
法人が支払う保険料は損金に算入することができますので、費用として計上し法人税の課税対象額を圧縮することが可能です。
経営者が亡くなった時に会社を継ぐ子には株式、継がない子には生命保険で会社が受取った保険金を譲渡することが出来るでしょう。

自社株の値段を気にしていないと後で驚くことに?
中小企業の株は非公開株なのでその値段を気にしていない経営者も多いようです。しかし非公開株は売買されるものではありませんので、株価を低く見積もり過ぎて相続が発生した時に計算すると想定していたより高かったというケースもあるようです。
特に業績が長年好調な場合などは内部留保が増大していることありますし、不動産価値で含み益が生まれて額面の100倍以上になる自社株も存在しますので注意が必要だと言えます。

生命保険独自の非課税枠
生命保険の保険金はみなし相続財産に該当するため、他の相続財産と合算して相続税が加算されます。
ただし生命保険には「500万円×法定相続人の数」分の非課税枠が設けられていますのでこの範囲であれば非課税です。生命保険独自の非課税枠が設けられていることは、税金を軽減できる大きなメリットだと言えるでしょう。

事業承継に生命保険を活用するなら
生命保険は個人が保障を得るために活用するだけでなく、法人の事業承継でも活用できるツールだと言えます。
ただしどのような生命保険の商品でも良いわけではなく、保障の内容などが相続される家族に合うものになっているかを確認して加入することが必要です。
また、法人が支払った保険料が損金扱いになる保険にも種類がありますので、どのような保険を活用すれば良いかなど専門家に相談して決めると良いでしょう。