経営分析に財務諸表を利用する手法で理解しておきたいこと

企業経営情報

広い意味で経営分析とは、生産管理、人事管理、販売管理なども含まれます。
ただし一般的には、経営分析は財務諸表を分析することで、貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書から経営の状況を把握していくことが必要です。
それぞれの財務諸表の中でどのような分析を行っていけばよいのか、その手法と数値のあらわす意味を理解しておくようにしましょう。

安全性を分析する時に用いる「貸借対照表」
貸借対照表では、資産を流動資産と固定資産、負債は流動負債と固定負債に分け、それぞれの割合から経営の安全性を分析します。

・流動比率
流動資産を流動負債で割って算出する割合で、短期的な支払い能力を示します。この比率が100%以上であることを必要としますが、すぐに現金化できないものなどがあるので当座比率とあわせて判断します。

・当座比率
当座資産(流動資産-棚卸資産等)を流動負債で割って算出する割合で80%以上は必要です。現金や預金などを短期返済の必要がある負債の支払いにどの程度備えることができているか判断します。

・固定長期適合率
自己資本と固定負債の合計を固定資産で割って算出する割合で100%を超えることが望ましい指標です。固定資産の保有状況や新規設備や投資計画が適切かを判断します。

・自己資本比率
自己資本を、流動負債と固定負債、自己資本を足したもので割って算出する割合で、50%を超えていることが望ましい指標です。財産がどの程度自己資本で調達できているか健全性を示します。

収益性を分析する「損益計算書」
損益計算書は1年間の財産の増減の原因をあらわしていますので、売上高と費用項目の割合、それぞれの段階の利益割合から効率的な経営を行っているかどうかの情報を含んでいます。
効率良く経営を行っているかを判断する収益性分析に用います。
利益をあげるためには、技術の改良や経営規模拡大などで売上高を増やす資本回転率を上げる、もしくはコスト削減や付加価値を高めることで売上高利益率を上げる必要があります。

・売上総利益率
売上総利益を売上高で割って算出する割合で、あら利益の対売上高比率です。

・売上高営業利益率
営業利益を売上高で割って算出する割合で、所得率に近く、比率が高いほど健全な経営だと言えます。

・売上高経常利益率
経常利益を売上高で割って算出する割合で、経営成績を見る指標です。この比率が営業利益を下回った場合には過剰投資を行っていると判断できます。

お金の流れを掴む「キャッシュフロー計算書」
利益の増減が実際の現金の増減にどの程度反映されているかを示す計算書です。
貸借対照表と損益計算書からのみ判断すると、実際の現金と利益が大きく異なるケースもありますので、実際のお金の流れを掴むために必要になります。

・キャッシュフローマージン
売上高に対して現預金をどれだけ生んでいるか、収益力を判断する指標です。

・フリーキャッシュフロー
自由に使える現預金のことで、現状維持のために必要な設備投資分などを差し引き残った余裕資金です。

経営分析に財務諸表の活用を
それぞれ財務諸表から読み取れる数値の意味がわかれば、経営分析に有効に活用することができます。
なお、分析による結果は、一般的には同業種他社や自己経営の過去の経営成績の数値などを比較対象として判断していくことが必要です。