事業承継の手法「M&A」で失敗する事例は何が問題だった?

企業経営情報

事業承継を行う際には様々な問題や壁が生じることがあります。
例えば後継者不足や不在の問題、後継者がいても素質や教育の問題、先代と後継者のコミュニケーションや役割分担の問題、後継者と従業員との関係など、企業の状況によって生じる問題は様々です。


それに加えて、取引先や銀行との承継後の関係や、顧客対応、自社株対策、相続問題など色々な問題の解決も必要です。
また、医療承継も問題が多く見られます。親子で診療科目が異なるといった問題、医院の建物の老朽化や後継者とスタッフとの連携、患者さんに対する認知、医療法人の承継など、色々な問題が生じることで事業承継がスムーズに進まない可能性も考えられます。

事業承継問題を解決する「M&A」
このような事業承継問題に対して、解決手段の1つとしてM&Aという手法があります。最近では中小企業でもM&Aを行う企業がという企業の合併買収を行うケースも増えています。
以前までM&Aと言えば大企業や上場企業が行うものだと認識されていましたが、今は中小企業でもM&Aを行うようになりました。

M&Aは買い手が見つからなければ成立しない
後継者がいないという問題や、このまま会社を続けても発展していけるかどうかわからないという場合、事業を辞めて個人保証を外したいという場合など、様々な理由でM&Aを検討するようですが、会社を欲しいという企業が出てこなければ成り立ちません。

・M&Aを希望しても実行できない事例
同業他社がM&Aに成功したことをきっかけに、自社もM&Aを検討するようになったものの一歩が出ない状態が続きました。
数年後、経営はさらに悪化し売上も利益も低迷し、このままではいけないとM&A仲介会社に相談したけれど結局企業としての魅力が低下していることで買い手企業が見つからなかったという事例もあります。
赤字が続きで多くの負債を抱え、売上や利益率が低く、差別化されておらず将来性が見込めないという場合など、M&Aを実行できない企業や実行しても成功できない企業は多く存在すると言えるでしょう。

M&Aを成立させるにはタイミングが重要
M&Aはタイミングが大切ですので、魅力があるうちに相談や対策を講じて早期行動していくことが重要です。
M&Aは高額な取引になりますので、実行するまで時間や手間も必要ですし、途中で破談になることもあります。そのため本当に経営が苦しくなった時に買ってほしいとアピールしたところで、手おくれになるケースも考えられるでしょう。
会社に魅力がある間であれば買い手もすぐ見つかる可能性は高くなりますので、早期対策を検討することが必要です。