事業承継でM&Aを行う時に必要は費用の種類とは?

企業経営情報

企業の合併や買収の総称をM&Aと言いますが、事業承継の手法の1つで、合併や買収というくくりの中にも、株式譲渡・株式交換・新株引受、営業譲渡、会社分割など色々な手法があります。
経営者に後継ぎがいない場合など、第三者に会社の株式や経営の譲渡を行い新経営者となってもらうことで会社を維持・発展させていく方法です。

後継者が不在の企業でも事業承継が可能になる
後継者が不在であるという問題が今重要な課題になっている企業は多く存在しています。親族内で後継者が不在の場合、株式や経営を誰に引き継ぐのかといった課題に直面することになるでしょう。
このような場合の選択肢の1つがM&Aで、今後の経営を安定させ、成長に導くために検討できるものと考えられます。

M&Aにかかる様々な費用
例えば後継者が存在しないことでM&Aを検討する場合でも、当然実行するには費用がかかります。
ただしM&A取引全般にかかる支出、そしてM&Aの手法によってかかる支出に分けられますので、どのような費用が必要になるか確認しておきましょう。

●M&A取引全般で必要な費用
まず契約にかかる費用として、契約を締結するための弁護士報酬と印紙税が必要です。また、M&Aアドバイザーなどを利用した場合の報酬も必要になるでしょう。
税理士や不動産鑑定士など、外部の専門家を使って財務や法務調査など各種調査を実施した場合にはその報酬も必要ですが、この費用は基本的に買い手となる企業が負担することになる費用と考えて良いでしょう。

●取引実行のために必要な費用
M&Aの手法次第で、取引実行のための費用などは異なります。

・合併の場合
取引を実施することで資本金が増加する場合には登録免許税が必要です。株券事務費用などは案件ごとに追加で必要になることもありますし、組織再編税制による税金負担額が発生する可能性もあります。

・会社分割の場合
会社分割にも種類があり、吸収分割、単純新設分割、共同新設分割と分かれています。いずれの場合も合併の時と同じく資本金が増加するなら登録免許税が必要ですし、土地や建物が承継法人に移転した場合にも登録免許税が必要です。また、組織再編税制による税金負担額が費用として発生する可能性もあります。

・株式交換・株式移転のケース
資本金が増加するなら登録免許税が必要ですし、案件ごとに株券事務費用などが必要な場合もあります。組織再編税制による税金負担額が費用として発生する可能性もあります。

・事業譲渡のケース
買い手が事業譲渡対象資産に合意した譲渡価格を売り手に支払います。譲渡資産に土地や建物が含まれている場合には、不動産取引の登録免許税等が必要ですし、譲渡資産負債に対する消費税も必要です。
 

・株式買収のケース
不動産の移転や増資がないので費用は必要ありませんし、株式譲渡は消費税の非課税取引なので資金負担は発生しないと考えられるでしょう。

M&Aを検討するなら費用の内訳を確認しておくこと
このようにM&Aには様々な費用が発生します。
後継者がいないことでM&Aを検討する場合、どの手法を行うかは自社の状況などで異なるでしょうが、どのような費用が必要になるか確認しておきましょう。