会社を従業員に継がせたい!事業承継実現へのハードルとは?

企業経営情報

経営者の中には従業員に会社を継いでもらいたいと考えるケースもあるようです。従業員に事業を承継しようとする考えは、これまで苦労を共にし、業務や企業文化などを熟知している従業員のほうが安心できるという思いからでしょう。
しかし従業員に事業を承継するためには、いくつかのハードルを乗り越えなければなりません。どのようなハードルがあるのか、その内容を確認してみましょう。

経営能力をもつ人材は存在している?
従業員としてはとても優秀だとしても、その人が経営者としての能力を持っているとは限りません。
中小企業の経営者になると、営業のトップとしての能力を持ち、さらに同業他社や団体、銀行や取引先などとの円滑な付き合いができることが望まれます。
それに加え、労務問題など法律的なことも絡んでくるので、現場の責任者としてだけでなく様々な対応能力が備わっていなければ会社の経営はできません。事業を継がせたい従業員に、これらの能力が備わっているかを確認する必要があるでしょう。

経営者になることを従業員は希望している?
そして重責を担うことを避けたいという考えや、現在の職責で十分満足だと考える従業員もいます。経営者として仕事をすることを希望しない場合、無理に押し付けることはできません。

借入金の連帯保証を引継ぐことができる?
また、中小企業では会社の借入金の連帯保証を経営者個人が担っています。もし従業員が事業を承継する場合、この連帯保証を引継ぐことが出来るかが問題になるでしょう。
借入金の個人保証を負うことに難色を示すケースもあれば、従業員は納得したとしても銀行側が納得しないというケースもあります。そうなると現経営者が個人保証や個人財産の担保提供を続けなければいけなくなってしまいます。

従業員に自社株式を買取る資金力はある?
経営者になるために、現経営者から自社株式を買取ることができる資金力がある従業員はまず少ないでしょう。
現経営者が保有することを継続して、経営だけを従業員に任せる方法もあるでしょうが、それではいつまでたっても引退できないことになります。後継者となった従業員も気を使い続けることになり、自由で迅速な意思決定が出来なくなることが予測されます。
また、継続して自社株式を現経営者が保有し続けていれば、いずれ訪れる相続の局面で相続人と新たな後継者となった従業員間でトラブルが生じる可能性もあるので、その点も踏まえて検討する必要があるでしょう。

従業員に対する事業承継は慎重に
従業員への事業承継はこれらの問題をクリアすることが重要です。従業員に事業を承継することのメリットとデメリットを考慮した上で、慎重に検討することが必要だと言えるでしょう。