賠償責任の契約書による修正が許されないケースはどんな時?

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損害賠償責任などのケースにおいては原則的には「契約自由の原則」のもと契約の両当事者が合意する限り民法のルールを自由に修正できるようになっています。

しかし法律に違反する内容の場合には「契約自由の原則」が及ばない内容も出てきます。

今回、契約書による民法ルールの修正が許されないケースについて紹介したいと思います。

【修正が許されない5つのケース】

1. 労働基準法による限界
労働基準法はそもそも会社などの使用者に比べ立場の弱い労働者を守るための法律です。
契約当事者双方が合意したとしても次の2点にひっかかる契約は無効とされます。

・労働者の行為に対して損害賠償額をあらかじめ定める条項
・労働契約の不履行に対して違約金を定める条項

2. 独占禁止法・下請法による限界
これらの法律は大規模な会社が中小規模の会社を不当に侵害する行為を禁止する法律です。
大規模会社に一方的に有利な「損害賠償責任の制限」「違約金の定め」などから中小規模の会社を保護するのが目的とされています。

3. 消費者契約法による限界
消費者契約法もまた事業者より立場の弱い消費者を守る意図で定められた法律です。

この法律では以下のような「損害賠償条項」3点を制限しています。

・消費者の利益を一方的に侵害する条項
・事業者の「損害賠償責任」を免除する条項
・消費者が支払う損害賠償の額を予め定める条項

よってこれらの内容に違反する契約書は無効となります。

4. 割賦販売法・特定商取引法による限界
割賦販売法では以下の3つの契約について違約金の定め、損害賠償額の予定を制限しています。

・割賦販売契約
・個別信用購入あっせん契約
・包括信用購入あっせん契約

同様に特定商取引法では以下の5つの契約について違約金の定め、損害賠償額の予定を制限しています。

・電話勧誘販売
・連鎖販売
・訪問販売
・特定継続的役務提供
・業務提供誘引販売取引

5. 公序良俗違反による限界
民法90条では「公序良俗に反する」契約は無効とされています。

例えば、一方の当事者に明らかに有利な過大な免責条項や不当に高額な損害賠償額などが制限されています。

【まとめ】

いかがでしたか?今回割愛させていただきましたが、他にも損害賠償に関する契約書の民法ルールの修正が許されないケースは「利息制限法による限界」などがあります。
この内容は「金銭消費貸借上の債務不履行」による損害賠償に関しての利率について上限を細かく定めたものになります。
正しく理解し役立てていただきたいと思います。