雇われ社長を依頼されたら!オーナー社長と交わす契約書の内容

経営者のリスク

中小企業に多いのがオーナーから会社の雇われ社長を頼まれるケースです。
しかし、雇われ社長の身分だから責任やリスクはないだろうと、安易に就任すると解任をする場合にスムーズにできなかったり、報酬について納得できない、自身が大きなリスクを負うことになった、などさまざまなトラブルに巻き込まれるケースがあります。
のちのトラブルを回避するためにも就任前には、しっかりとオーナー社長と報酬や任期、責任などについて話し合いを重ね契約書を作成しておくことが大切です。

 

【契約書に記載すべきこと】
では、どのようなことについて契約書に記載すればよいのでしょうか?雇われ社長のリスクと合わせて考えてみましょう。
・会社が借り入れをした場合その責任やリスクは自身にどの程度ふりかかるのか
・雇われ社長が個人的に連帯保証人にならない
・任期は何年間か
・大幅な業績悪化がない限り任期満了をもって解任する
・役員報酬はどれくらいなのか、また会社の利益があった場合雇われ社長の報酬は何割増額されるのか
・会社が経営不振に陥った場合報酬の減額はどの程度されるのか
などの細かい条件は就任前にしっかりとオーナー社長と交渉をしておき、双方の署名捺印を押した契約書を作成しておく必要があります。

 

【こんな点には要注意】
万全に契約書を作成したと思っても案外見落とされている箇所があるかもしれません。
さまざまなリスクを想定し、契約書を作成する場合は顧問弁護士や専門家などに依頼して第三者の目からもしっかりと確認してもらいましょう。
たとえば、自身では任期までは働けると思っていても雇われ社長は労働者とは立場が違い労働基準法で守られる立場ではありません。
株主総会で株主の意向によっては解雇されるリスクもありますし、失業した場合失業保険等はありません。また休日出勤や残業も当然あります。
さらに、企業の利益が上がらなかった場合には役員報酬から差し引かれることもあります。
これらのリスクを含んでいる雇われ社長は、自分の身は自分で守らなければなりませんので、非常に不安定な立場であることを十分理解して契約を結ぶ必要があります。

 

【まとめ】
雇われ社長は、聞こえこそいいですが立場は不安定でそれなりにリスクもあります。
オーナー社長から雇われ社長の依頼を受けた場合は、自身のリスクを最小限に抑えることを第一に考え雇用契約を結ぶ必要があります。
また契約書に記載漏れ等が無い様に、専門家を交えオーナー社長としっかりと条件交渉をすることが大切です。