経営者が取り組むべき役割 「トップマネジメント」とは

経営者のリスク

企業など、組織が活動するための仕組みに位置付けられるマネジメント。これは、組織の構成員各々が置かれる立場によって、具体的内容が異なります。経営者が携わるものとしてはトップマネジメントと称されますが、それはどのような内容となっているのでしょうか。

マネジメントの概要

企業を含めあらゆる組織は、所属しているメンバー1人1人によって成り立っているということは言うまでもありません。しかし、その構成員各々があらゆる事柄について全て自由意思で行っていたとすると、まとまった行動が取れなくなるでしょう。つまり、組織としての意味をなさない状態となるわけです。

そういった事態を避けるべく取り入れられる考え方がマネジメントです。おおまかに言えば、組織としての機能を維持するために取り組まれる仕組みと捉えて差し支えないでしょう。

組織とは往々にして、ある目的を達成するために結成されるものと言えます。企業あるいは会社であれば、社会活動に参画することで収益を獲得することと、その状態を維持し組織として存続することが主な目的となるでしょう。

企業の目的達成のためまず掲げられるのが、経営方針となります。これは主に、どのような事業に着手し活動していくか、方向性を決定する部分を指します。示された経営方針を基に、実際にどのように取り組んでいくべきか、具体的な要素一切を担うのが、マネジメントの意義に相当するわけです。

企業内で実行されるマネジメントは、所属する部門や役職によって、それぞれ内容的に異なってきます。
マネジメントが適用される事柄は主に、実行すべき目標・業務の進捗状況・チーム内における役割分担・人材育成・メンタルヘルスなどが挙げられます。

部下を持つ立場の職責に置かれる場合、これらの事柄を軸として自身が率いるチーム内の管理業務に取り組むことになるわけです。

トップマネジメントについて

企業は、実質的な作業従事者を管理する数多くのチームを土台とし、管理体制においてピラミッド型を形成していると見なすことができます。ピラミッドの上位になるにつれ、判断を下す決定権など、組織内における権限が高まる構造となるわけです。その階層ごとに、用いられるマネジメントの性質が異なります。

企業の生産活動に直接従事するのは社員および従業員となり、その1人1人を直接管理することになるのは企業内における最小単位のチームと言えます。その段階ではローアーマネジメントが用いられます。

部門および部署は、幾つかのチームによって構成されることになります。例えば支店や工場あるいは部門などのように、中間管理的な部署が設けられるわけです。そのような段階ではミドルマネジメントが適用されます。これに基づいてローアーマネジメント層を統括し、経営上層部をサポートする役割を担うこととなります。

企業内において最も高い権限を持つ経営上層部は、トップマネジメントに携わることとなります。経営者の果たすべき役割と言えるわけです。

その内容としてまず挙げられるのが、上記でも触れた経営方針の決定です。どのような事業を実行し、これを成功に導くための経営戦略・経営計画を立て、具体的にどの部門にどれだけの資金を配分するか、などを定める部分に相当します。

企業全体の体制維持も、トップマネジメントの重要な要素に位置付けられます。業績の結果を勘案し、部門の再編など、企業にとってより有利な体制づくりを検討する部分と言えるでしょう。次世代の経営陣育成など、人事への取り組みも含まれます。

他企業や外部団体との交渉も、経営陣の取り組みには欠かせません。利害関係が生じうる対外交渉については、企業内で最も高い意思決定権を持つ経営陣が対応してこそ、確実性が現れます。

また、想定されるリスクへの備えも、経営層が担うべき課題に挙げられます。リスクの大きさによっては、企業存続を左右する事態に発展することも充分に考えられます。それを回避する手段を予め講じておくことも重要です。

まとめ

以上のように、マネジメントとはどのようなものか、基礎的な部分を踏まえながら、経営者の携わるトップマネジメントの中身について確認してまいりました。

企業の細部に至るまで、経営陣のみで直接関与するのは不可能です。可能な部分はミドルマネジメントやローアーマネジメントに分担し、経営陣はトップマネジメントに専心してこそ、適切な企業運営が可能になると言えるでしょう。