親会社とは、子会社を支配する会社です。
子会社の財務や事業方針を決める株主総会などの機関を支配するのが親会社といえます。
ただし、どのような状態が支配というのか、親会社と子会社の関係や立場で、何が変わるのか理解しておくことが必要です。
そこで、親会社について、定義や子会社との関係、立場の違いを簡単に解説します。
親会社とは
「親会社」とは、子会社である他の会社を支配し、以下の基準を満たす会社です。
・子会社の議決権の過半数を保有する(持株基準)
・議決権の40%以上50%以下を保有し、子会社と緊密な関係があり、自己の意志と同一の内容の議決権を行使できる(支配力基準)
・役員などが取締役会等の構成員の過半数を占めている(支配力基準)
親会社は子会社の株主であり、資金提供・経営管理を行い、支配・責任を負います。
親会社と子会社の定義
親会社は、子会社の経営を支配している法人です。
子会社の発行済み株式を100%保有する場合は、完全親会社と呼ばれます。
子会社は、親会社に経営されている法人であり、完全子会社・連結子会社・非連結子会社の3つがあります。
親会社と子会社の関係
子会社は親会社から経営を支配されている会社です。
経営を支配されているとは、親会社が子会社の株主総会の議決権を50%超で保有する状態のことを示します。
会社の方針は株主総会で決定し、議決権を半数以上保有していれば、実質経営権を保有すると判断されます。
なお、親会社と子会社の関係は、企業統治やビジネスを戦略的に決定する上で重要といえます。
親会社と子会社は、組織再編などで吸収合併される場合もあります。
吸収合併では、子会社と綿密な関係性を構築し、経営効率化を図ることが目的です。
親会社と子会社の立場の違い
親会社は子会社の経営を支配するため、立場は親会社のほうが上になりやすいといえます。
そのため子会社が親会社に逆らうことができず、言いなりになっているケースも少なくありません。
ただし親会社が大会社(資本金5億円以上または負債200億円以上の会社)の場合は、子会社の内部統制体制を構築し、親会社に損害を与えないようにする注意義務があります。
不正などが起こらないように、管理・監督をする責任を負います。
親会社の立場が強くなることに変わりはないものの、子会社もその立場を活用し、親会社の経営資源やノウハウを活用できるメリットはあるといえます。