運送業界の運賃・料金が値上げされたことに続く約款改正とは?

運送物流業情報ラボ

物流業界では2017年、大手宅配会社の運賃料金値上げのニュースが相次ぎました。消費者にとっては喜ばしい話ではありませんが、宅配事業者の人員不足から値上げは不可欠な状態だったと言わざるを得ない状況です。

送料無料で対応しているネット通販なども多い中、送料を受取れなければ運送会社はタダ働きをしなければいけなくなります。

以前から物流業界で指摘されていた料金の未収受というタダ働きについて、今回の運賃の値上げは解決の1つとなったと言えるかもしれません。

なぜ運送事業者は運賃交渉がしにくい?

運送会社が荷主から受取る運送費は、運賃と料金に分けることができます。

運賃はトラックで輸送するなど、運送自体に対しての対価であり、料金は荷物の積込みや積下ろし、棚入れ、ラベル貼りといった作業に対する対価です。

これまでの運送会社で扱われていた契約条項などが定められる約款には料金規定がなく、運賃と別で料金を受取ることができることはほとんどありませんでした。

運送事業者の約款モデルが改正に!

運賃と料金を合算して運送費として受取っていたわけですが、作業に対する料金を支払うという認識がなかったことで、運送会社に対する要求は高まる一方だったと言えるでしょう。

そこで国土交通省は約款を改正することを目的に、運送事業者の約款モデルとなる「標準貨物自動車運送約款」の内容について、業務内容を明確にして運賃と料金を区別するといった改正を行いました。

・さらに注目したい改正部分とは?

また、運送現場への到着時間は厳格に指定されているのに対し、荷主の都合で積込みや積下ろしができないというケースも多々あります。この荷待ち状態についても、待機時間料として規定する内容に改正されています。

運送業界は中小企業が大半を占めているため、荷主に対する立場の弱さなどから運賃交渉が行いにくい状況でしたが、約款の改正で交渉を行いやすい環境が整備されたと言えるでしょう。

今後は人手不足解消もさらに検討される?

運送業界の人手不足はいまだ解消されていると言える状況ではありませんし、労働時間規制などで物流の停滞なども懸念されている状況です。そこで、人手不足対策として物流が効率化するように、ロボットなどを活用するといったことも検討されています。

ただし現場で最も頼りになるのはロボットではなく人の知恵ですので、ロボット活用だけに偏重しないことも重要になると言えるでしょう。