訴訟費用とは何のための費用?
訴訟費用は、裁判所や紛争の当時者が訴訟について払った費用です。民事訴訟の費用として法律で認められているものを言います。基本的に訴訟費用は敗訴者(負けた者)が負担することになります。
訴訟に必要な費用について
法律で定められている訴訟費用は大きく2つに分かれますが、裁判所の行為に必要な裁判費用、そして当事者の行為に必要な当事者費用です。
裁判費用
裁判の審理や判断に必要な訴状や申立書についての手数料、書類の送達費用、公告を行うための費用、証拠を調べるための費用などです。審理や判断の手数料は訴訟の額によって収入印紙の額が変動します。送達費用は、例えば東京地方裁判所の場合は原告・被告各1名の訴訟のケースで、6,000円分の現金もしくは郵券を裁判所に予め納付します。証人の日当は1日8,200円以内で裁判所が定めます。
当事者費用
書類を作成するためにかかった費用で、旅費、日当、宿泊費などです。日当は証人の日当と同じように裁判所が定めます。必要なすべての費用を含むのではなく、例えば弁護士費用は訴訟費用に含まれません。訴訟を起こすために弁護士を必ず立てる必要はないと判断されています。
訴訟費用の支払い時期
原則として敗訴した者が負担する必要がありますが、訴訟の結果が出るまで必要になる費用がありますので勝つか負けるかわかるまでは当事者が支払う必要があります。訴訟の結果により、負けた者が勝った者に支払うことになります。判決で訴訟費用の負担が決定しても、強制執行などが判決文により行えるということではありません。訴訟費用額の確定処分が判決確定後に裁判所の書記官によって行われますので、それが確定した後に裁判所に申し立てるということになります。申し立てがあると、裁判所は敗訴者に訴訟費用の支払いを命じます。その前段階として意見書の提出を求める場合もあります。
原告や被告が複数いるときは?
原告・被告が複数名存在しているときには、かかった費用が特定の者の分と明らかな場合はその者分としてカウントします。共通の費用については人数で按分し計算されます。
弁護士費用について
訴訟費用に弁護士費用は含まれませんが、例えば医療過誤訴訟や建築関係訴訟など一般の人ではなかなか扱うことが難しい訴訟のケースでは、弁護士費用も損害請求することで一部認められることもあります。
また、相手方の弁護士費用まで負担する必要はありません。現在の日本の法律では、弁護士費用の負担を敗訴側が行わなければならないケースとして、不法行為による損害賠償の裁判で勝訴した場合です。その額もかかった弁護士費用全額ではなく、弁護士費用以外の損害額の1割相当額を弁護士費用として賠償するといったケースが通例です。