経営者も労災保険に加入できる?労働者災害補償保険とは

経営者の保険

労災保険は正式名称を「労働者災害補償保険」と言います。これは従業員の災害を補償する国の保険ですので原則経営者は加入できません。しかし経営者も条件によって労災保険に特別加入できる場合があります。この特別加入できる人とはどのような人か見てみましょう。

【労災保険に特別加入できる人】

経営者であれば誰でも加入できるわけではありません。以下のような人が経営者でも特別加入できる人です。

・中小企業の事業主で労働保険事務処理を労働保険事務組合に委託している場合

・中小企業の事業主の家族従事者や法人企業の場合の代表権を持たない役員

・特定作業従事者

・海外派遣者

加入の条件は、その企業で労災保険の保険関係が成立している、中小企業である事が挙げられます。これは中小企業の事業主を救済するもので大規模企業は特別加入には該当しません。

【加入するメリット】

中小企業でこの労災保険に特別加入するメリットは、経営者なども労災保険の救済を受ける事ができ、労働保険事務処理の煩わしさが軽減されるなどのメリットがあります。またこれ以外にも分割納付が可能であったり、という加入者の金銭的な負担を軽減するメリットもあるのです。経営者であっても事業場外で事業活動を頻繁にする人や、自動車での移動が多い人、建設業などの現場作業が多い人などは災害に遭うリスクが高くなりますので加入するメリットは大きくなるでしょう。

【加入するデメリット】

労災保険特別加入制度はこのように大きなメリットがあります。これに対してデメリットは加入する時に必要になる「労働保険事務組合の手数料と年会費」が挙げられます。労働保険事務組合は事業主から依頼を受けて労働保険の事務処理を行うため手数料を支払います。会費は約5万円程度と労働者数×5千円くらいになる為手数料は思っていたより高額になる事がわかります。これらを考えると特別加入するメリットよりも場合によってはデメリットの方が大きいケースもあります。それは従業員数によっては特別加入制度を利用するよりも、民間の損害保険に加入した方がよい場合があるのです。

【まとめ】

経営者や役員が多数いて特別加入の対象になる人が多い場合や従業員が多く労働保険組合の事務処理が大変な場合は特別加入制度に入る事をお勧めします。しかし役員数や労働者数が少ない場合は高い手数料を支払う事はデメリットになります。このような場合は一般の損害保険に加入するなどケースバイケースで考えていくようにしましょう。