事業承継は企業にとって大変重要な意味を持っています。その為、早くから取り掛かり正しい方法で行うことが大切です。事業承継を成功させるために、その手順についてしっかりと確認しておきましょう。
【事業承継の手順】
事業承継の大まかな手順については下記のようになります。
1、 現経営者は事業承継の意味とその必要性を十分理解して早めに計画を立てましょう。
スムーズな事業承継のためには、事前の準備が大切になります。
2、 会社の経営の現状を把握する。
・資産はどれくらいあるのか
・負債はどれくらいあるのか
・従業員はどれくらいいるのか
・後継者候補がいるのか、いないのか
・事業承継をどのように進めるのか
・自社の経営に関しての強みと、弱み
3、 後継者を確保、決定する
後継者は親族内から決めるのか、親族外承継をするのか、M＆Aという方法を取るのか、それぞれのメリット、デメリットを考え慎重に決めます。
4、 事業承継計画を立てる
事業承継は長期的な視野を持って進めていきましょう。事業承継を行う具体的な時期や方法について詳しく考えていきます。
【事業承継方法】
事業承継の方法としては、大きく分けて以下の3つがあります。それぞれのメリット、デメリットを理解し、自社に合った方法で行うことが大切です。
（親族内承継）
メリット
・後継者を早期に決定することができ、後継者育成に十分な時間を確保できる
・取引先、従業員等に周知されやすくスムーズに事業承継ができる
デメリット
・親族内に優秀な後継者がいない場合がある
・経営者が自身のような苦労を子供に負わせたくないと考えており、積極的に承継できない
（親族外承継）
メリット
・会社内外から候補者を選ぶため優秀な人材が集まりやすい
・従業員に承継する場合経営理念を十分理解している
デメリット
・株式を取得する資金がない
・相続税の支払いが困難
（M＆A）
メリット
・早期に事業承継ができる
・経営者は会社を売買したお金で第二の人生をスタートできる
デメリット
・売買価格や、条件等で折り合いがつかない
・買い手がすぐに見つからないケースもある
【事業承継を成功させるためには】
事業承継には、多くの時間が必要になります。そのため計画的に、時間的余裕を持って取り組むことが大切です。
親族内承継をする場合は、後継者教育に5年程度はみておきましょう。また株式の移転でもタイミングや対策によって税金が大きく変わってきますので、事前に調べておく必要があります。
M＆Aを行う企業は、社外から経営者を派遣してもらうため短期間で実施することができますが、よい条件で買い取ってもらうには時間がかかるケースもあります。
事業承継は誰に、どのような方法で、いつ承継するかということを事前にしっかり計画を立てて実行していくことが何より大切なのです。
