雑な領収書の管理状況では、急な税務調査に対応できなくなることがあります。経営する上で経費を正確に把握することは、確定申告以外にも会社の経営状況を把握する上でも、とても重要なことです。今回は、領収書の役割と管理をしやすくする方法を見ていきましょう。
領収書の役割
代金の受け渡しが正常に行われた証明として領収書は発行されます。青色確定申告後の領収書は7年間の保管義務があり、領収書を紛失してしまうと、税務調査が入ったときに重複して納税をしなければならなくなる場合もあります。
逆に正確で丁寧な整理を行えば、会社の経営状況を細かく把握できるだけでなく、意図的な改竄といった内部不正を監視することも可能です。
領収書の便利な管理方法
経理にける負担を減らすことができれば、人件費や費やす時間を大幅に削減することができます。領収書を管理する上で、便利で役立つ方法やサービスをご紹介します。
領収書の電子化
ドキュメントスキャナやスマートフォンのカメラを使い領収書をデータ化することで、参照が容易になり、経理ソフトにも取り込めるようになります。電子帳簿保存法の改正により紙媒体の領収書の保存が必須ではなくなったため、長期間の領収書の保存も必要なくなりつつあります。
電子帳簿保存法の注意点として、帳簿と決算書類はスキャンデータ不可であることと、帳簿書類の電子化を行うには、3か月前までに税務署に届け出を行う必要があることを覚えておきましょう。
法人カード
法人用クレジットカードで年会費は発生しますが、それ以上の恩恵を得ることができます。法人カードを使い、明細をデータとして一括管理することで、社員全体の経費精算や経理の手間を大幅に簡略化することができます。さらに、クレジットカードの利用代金明細書はそのまま確定申告の経費の証明書として使えます。
法人以外にも、ビジネスカードには個人事業主用に発行できるタイプもあります。個人用と仕事用に分けることで公私の区別が容易になり、経費の整理がしやすくなります。
税理士に一任する
「時間がどうしても取れない」「パソコンやスマートフォンの操作が苦手」といった方は、税理士に一任する方法もあります。電話・メール・LINEのやり取りだけで対応可能な事務所もあり、月々の領収書をまとめて税理士事務所に郵送することで、面会する事無く完璧な記帳代行と確実な申告を行ってくれます。
確定申告のみのスポット(単発)依頼や、経営計画・資金繰り・税務調査のアドバイスを貰う顧問契約もできます。
まとめ
領収書の役割と管理方法について解説してきました。領収書の管理は、確定申告の時だけ必要というだけではありません。お金の流れが可視化されることは、経営を見直す判断材料にもなります。会社のビジネススタイルにあった管理方法を見つけることで、売り上げを伸ばす足掛かりにしましょう。