企業の事業計画には、具体的に売上高や利益についての目標を数値として設定することが必要です。数値としてあらわすことにより、その目標を達成するための努力や工夫が行動となって起きることに繋がります。
さらに従業員全体の目標として掲げることになるため、何を改善して行けば良いかなども明確化できるので成り行きで経営していく状態から計画的経営へと変えることができます。
実際にどのように数値化する?
企業が経営方針とする目標の売上や利益の数値は、3~5年という中長期に渡る平均目標になります。
どのように実現するかは損益計画で明らかにしていくことになりますが、目標利益をいくらにするか、そして実現のために売上などの収益や仕入などの費用を見積もっていくことが必要です。
目標利益は実績利益ではなく過去の利益水準を参考に獲得するべき目標利益を設定し、費用は収益から目標利益を控除して算出します。
企業内外の事業環境の分析を基準としながら次年度の収益を見積り、所定の目標利益を控除して許容費用を算出することになります。
数値の明確化には根拠が必要
収益目標や許容費用の数値には算定の根拠が必要ですが、例えば収益目標なら販売対象の明確化、商品や製品、販売方法の選定、営業体制の明確化を必要とします。
許容費用は材料を安定して供給できる仕入れ先などの確保、支払条件の確認、商品や製品内容の明確化も必要です。なお、人件費は費用の中でも大きな割合を占めますので、業務内容別の要員計画を行いましょう。
損益計画が実績利益を達成できない原因改善の対策に
上記のように損益計画が設定されていくことで、収益は目標収益以上の実績、費用は許容費用以下を実現できるように管理していきましょう。
実績利益が目標利益に達しなくても、どのくらい足らなかったのか、そして不足が生じたのは収益不足か費用超過かを確認していくことができ、原因を改善する対策を講じることもできるでしょう。
目標達成に何が不足しているかの分析を
企業の業績は、前期と当期の実績の比較、損益計画での実績との比較などで分析します。そのため事業年度を経過していくことで、計画と実績の差を把握しながらなぜ差が生じたのか原因を分析し対応策を検討していくことができるでしょう。
原因を分析する場合には、顧客や業界の動向、競争関係、法的規制の改正、新たな技術や商品の登場などに着目してみましょう。
内部でも営業体制や設備投資の金額とタイミング、棚卸資産の購買体制、設備の稼働率といった部分も確認が必要です。
また、販売費や一般管理費などについても管理が行き届かないで膨らみ傾向にあります。それぞれの費目ごとに予算を設定し、進捗管理にも取り組むことも必要です。