会社を経営していくためには、赤字ではなく黒字経営が大切ということは理解していても、財務諸表の内容がよく分からないという場合や、実際に儲けを増やすために何を行えばよいか分からないという場合もあるようです。
また、帳簿上は黒字でも、手元に運転資金がなければ最悪の場合、黒字倒産してしまいます。
そのため、帳簿上の利益を黒字にするのではなく、資金繰りがプラスになることを目指すようにしましょう。
黒字化することとは資金繰りをプラスにすること
仮に利益は黒字だとしても、売掛金の回収や在庫管理がしっかり行われていなければ、と資金繰りは赤字になる可能性があります。
資金繰りが黒字であれば銀行からの融資も受けやすくなりますし、銀行から資金を調達できればその資金が新たな利益を生み出すでしょう。
資金繰りが黒字になることは企業の成長にもつながりますので、まずは何から実践していけばよいか確認しましょう。
まずは経営目標を設定すること
損益分岐点分析を実施し、黒字にするために必要な売上、許容される原価率や社員数を算定し、経営目標を掲げましょう。
売上の増加は必要ですが、経費は抑えることが必要です。人件費の増加率については、売上の増加率の次に大切と考えておきましょう。
全社の売上目標を各営業など担当者に割り振り、達成度に応じて報酬が決まるといったモチベーションを高める仕組みも導入してみましょう。
売上や経費の管理方法は?
製品やサービス毎の利益が把握できる仕組みを作りましょう。顧客毎や部門毎でも利益が把握できるようにします。
経費については個別に積み上げ予算を見積もり、前期と比較しながら売上の増加以上に伸びている経費について原因と対策を検討します。
広告宣伝費の費用対効果や、交際費、旅費、車両費、会議費、会費、消耗品費など、試算表から削れる部分はないか厳しく確認してみましょう。
毎月試算表が出た時には、推移分析による経費の確認を欠かさない様にしてください。
売掛金や買掛金、在庫管理についても見直しを
売掛金は時系列分析や同業比較で、残高が多くなり過ぎていないか確認しましょう。
回収条件を有利に設定できればその分、資金は増えます。回収条件は、売価とトレードオフの関係にあります。
トレードオフとは、一方を追求すれば、もう一方は犠牲になるといった考え方です。そのため、売価を下げなければならないのなら、回収条件を有利に変更できるように交渉しましょう。
あとは、過剰な在庫はないか、売れない在庫の保管費用が掛かっていないかを確認しましょう。在庫と同じ額だけ余計な借金をしていると考え、現金化するなど検討してみてください。
買掛金も売掛金と同じく、支払条件を有利に改定できるようにしましょう。