経営において売上予測を立てることはとても大切なことですが、これは事業を開始させた後でどのような業績をたどるのか予測することです。
大切なのは希望の数字を出すことで、大きければよいわけではなく堅実に計算し、明確な根拠が重要になります。
単に希望を数字として出した経営計画書では、事業開始後に計画と実績の大きなズレを感じてしまうことになります。
銀行から融資を受けるために数字をよくしても、担当する相手はプロなのですぐに見破ってしまうでしょう。
具体的な売上予測の立て方
では具体的にどのように売上予測を立てていけばよいのでしょう。
飲食業であれば1人あたりの平均的な売上額を来店客数でかけ、営業日数で計算します。製造業などは、月平均の受注量と1個あたりの売り値をかければ算出できます。
実際のところ、1日の来店数や受注量は事業を開始してみなければ分からないところはあるかもしれません。
しかし、独立前の経験を基準にしたり、独立前に獲得した顧客の引き継ぎ数や、同地域の同業者の調査などで達成できる数字を算出することが求められます。
営業利益の出し方
売上高から仕入れや材料費などの原価を差引けば売上総利益(粗利益)が出ます。売上高対総利益率が40%なら、売上の60%は原価になるので、月の売上が200万円とするなら、原価は120万円を計上します。
□売上高を予想する時の注意点
売上の予想高は、一方だけでなく、様々な角度から達成できそうな売上高を予測することが大切です。
□売上原価を検討する時
売上原価(仕入)は「売上高×原価率」で求めますが、原価率は業種や商品などで異なります。一般的な平均値に販売戦略などを加味した原価を検討しましょう。
□経費に含まれるもの
営業経費には、店舗の家賃や水道光熱費、通信費、人件費などの固定費など以外にも、消耗品費や暖房にかかる費用などいろいろあります。
売上に応じて金額が変わる費用もありますので、細かく計算することが必要です。また、固定資産がある場合は減価償却費も経費として計上できます。
利益の算出方法は?
営業利益は「売上高-(売上原価+営業経費)」で計算します。
税引前利益は「営業利益+営業外収入-営業外費用」で算出しますが、営業外収入とは受取利息や家賃収入など営業以外の収入のことで、営業外費用とは支払利息など営業以外にかかる費用です。
当期利益は「税引前利益-法人税等充当額」で算出します。法人税等充当額は「税引前利益×50%」で計算できます。
しっかりと収支見込額を算出すること
これらの損益計算を基にして、資金収支の見込み額を計算します。
金融機関から投資資金を借り入れた時、返済財源となるのは減価償却費と当期利益を足した金額です。
収支見込額は、返済財源から借入金返済元金を差し引いて計算します。
これらを参考に、しっかりと経営の売上予測を立てていく様にしてください。