「子会社」とは、意思決定機関が親会社にある状態の会社ですが、意思決定機関とは株主総会のことです。
株主総会では、決算承認・配当金額・取締役・役員報酬など様々なことが決定されますが、会社経営において重要な項目ばかりといえます。
子会社はこれらの重要な項目を決める機能を自社が持たず、親会社が持っている状態といえますが、具体的な定義や子会社であることのメリット・デメリットについて解説していきます。
株式の過半数を保有することによる子会社
子会社とは、総株主議決権の過半数を有する株式会社やその他会社が経営を支配している法人のことであり、法務省令で定めるものという定義があります。
株式を保有していると、保有数に応じた議決権が与えられます。
「議決権」とは、会社の株主総会決議に票を入れるための権利であり、50%以上保有すれば会社の意思決定機関を支配し子会社にすることが可能です。
保有率が50%に届いていなくても、役員が出向しているときには実質的に意思決定機関を掌握されていると判断され、子会社として扱われます。
株式移転による子会社
複数の子会社を保有している「〇〇グループ」や「〇〇ホールディングス」などのように、事業活動を取り仕切っている「持株会社」を設立するときには、株式移転が利用されています。
2つ以上の会社で新会社を設立し、新会社に集まった会社のすべての株式を移転することによって新たな持株会社が誕生します。
完全子会社とは
子会社のうち親会社が100%株式保有している場合には完全子会社となります。
完全子会社の場合、株主総会の招集通知を発送する義務がないなどメリットもあり、会社運営のスリム化につながります。
親会社が子会社を作るメリット
親会社が子会社を作るメリットとして、税金面で節税につながることが挙げられます。
規模の小さい会社を設立後に子会社とするときには、資本金に応じた消費税や法人税など、免税や軽減などの措置を受けることが可能です。
親会社の社員が子会社に移った場合、退職金を経費扱いできれば親会社にとっても節税対策につながることでしょう。
さらに子会社はあくまでも異なる会社のため、経営リスクを切り分けできることもメリットです。
親会社が家族経営であれば、子会社を設立により世襲問題リスクを低減させることもできます。
親会社の子会社となるメリット
親会社の子会社になれば、親会社の社名やブランドを利用し、顧客や取引先からの信頼度や訴求力が上がります。
大企業である親会社の一部事業を子会社化していれば、経営や業務のフローをスリム化できることもメリットであり、スピーディな企業活動が可能となります。