「貸借対照表」とは企業の一定時点の資産・負債・純資産を表示する書類であり、分析に用いることで財政状況を把握できます。
会社の決算では貸借対照表だけでなく、損益計算書やキャッシュフロー計算書などの財務諸表を作成することになりますが、この中で特に重要性の高い書類が「財務三表」で貸借対照表も含まれます。
貸借対照表と損益計算書は決算のときに必ず作成しなければなりませんが、分析に活用して今の財政や経営に問題がないか見直すようにしましょう。
そこで、貸借対照表を分析するときに用いる指標について簡単に解説していきます。
貸借対照表を分析するときの指標
貸借対照表を見れば資産と負債のバランスを知ることができ、経営改善に役立てることもできます。
そこで、貸借対照表を分析するときの指標として次の4つを活用しましょう。
・流動比率
・当座比率
・自己資本比率
・固定比率
それぞれの指標について説明します。
流動比率
「流動比率」とは、流動負債に対する流動資産の割合です。
1年以内に現金化できる資産と、1年以内に支払う必要のある負債の比率であり、短期で返済する返済能力を図ることができます。
流動比率が100%を下回るときには、資金繰り困難に陥るリスクが高く、反対に流動比率が100%を上回るときにはしばらく資金繰りを心配する必要はないと考えることができるでしょう。
流動比率(%)=流動資産÷流動負債×100
当座比率
「当座比率」とは、流動資産内の当座資産と流動資産の割合です。
現預金など流動性の高い資産が当座資産ですが、流動比率よりも棚卸資産など含まない比率の算出が可能であるため、資金繰りについてより厳しい安全性の確認ができます。
当座比率(%)=当座資産÷流動負債×100
自己資本比率
「自己資本比率」とは、総資本の自己資本の割合です。
剰余金や株主から得た資本が自己資本ですが、いずれも返済不要であるため、自己資本の占める割合が高いほど安定性が高いと判断できます。
自己資本比率が低いときには借入金など負債に頼っている状態といえるでしょう。
自己資本比率(%)=自己資本÷総資本×100
固定比率
「固定比率」とは、長期保有を予定している固定資産の自己資本の割合です。
返済期限のない自己資本で調達することを理想とするのが固定資産のため、固定比率が低ければ長期でみたときの安定性は高いと判断できます。
固定比率(%)=固定資産÷自己資本×100