「持ち株」とは、従業員が自社株式を購入・保有する制度です。
従業員の給与や賞与から一定額を天引きして、積み立てたお金を購入資金に充てます。
少額から自社株式の購入ができることや、財政形成の支援につながるため、福利厚生の一環として導入されていることが多いといえます。
従業員のモチベーション向上や会社の安定株主増加につながることが期待できる制度です。
そこで、持ち株会について、仕組みや従業員のメリットを簡単に紹介します。
持ち株会とは
持ち株会とは、従業員が自社株式を共同で購入する制度です。
毎月の給与や賞与などから拠出金を徴収し、自社株式を他の従業員と共同購入します。
拠出金額に応じて持分が配分される仕組みであり、従業員持株会とも呼ばれます。
従業員持株会への加入は義務化されておらず、従業員が任意で決められますが、会員として加入できるのは当該会社の従業員のみです。
取締役や執行役などの経営陣は、持株会の会員にはなれません。
従業員が自社株式を保有することになるため、長期で安定株主を確保できる制度であり、安定した企業経営が可能となります。
従業員が持株会に加入することによって、会社への帰属意識が向上するなど、退職を抑える効果が期待できます。
持ち株会の仕組み
持ち株会の仕組みや手続の流れは以下のとおりです。
①会員の従業員の給与から拠出金を天引きすることで、自社株式を取得する原資を確保する
②天引きした拠出金で、持株会が自社株式を購入する
③天引きされた拠出金の割合に応じて、株式が従業員に配分される
給与の一部を自社株式購入に充てる仕組みです。
持ち株会のメリット
持ち株会のメリットは、企業の奨励金や配当金で自社株を有利に購入できることです。
多額の資金で株式を購入するのではなく、毎月少額から積立投資で資産形成できるため、株価変動リスク軽減も可能となります。
また、配当金の受取や売却手続なども簡便で面倒さがないこともメリットです。
専門知識がなくても、加入するだけで資産形成ができます。
給与や賞与からの先取り投資となるため、入金や購入などの資金が足らなくなる恐れもありません。
自社の業績向上へ貢献したい気持ちや意識が高まり、従業員のエンゲージメント向上にもつながるでしょう。
毎月積み立てるだけで時間をかけた着実な資産形成につながるため、持ち株会があるのなら参加することをおすすめします。
