提訴とは?会社が訴えられたときの対象や対応者について解説

企業を取巻く危険

「提訴」とは裁判所などに訴え出て訴訟を起こすことですが、「企業訴訟」とは個人間の争いを除外した企業活動に関する訴訟を意味しています。

通常の民事訴訟と企業固有の訴訟に分けることができますが、訴えられたときは経営者と会社のどちらが対象となるのか、誰が対応すればよいのか解説していきます。

民事訴訟とは

「民事訴訟」とは、民間の人同士で起きた法的トラブルを解決する裁判を意味します。

訴えた人は「原告」、訴えられた人を「被告」と呼び、個人以外にも法人を相手とした裁判もあります。

原告と被告の立場は対等であり、仮に原告の訴えが不当な請求だった場合には棄却されます。

中小企業が提訴されるリスク

会社法上の規制が適用されることは企業の規模に関係なく、どの会社も同じです。

コンプライアンス体制を整備していなければ、問題が起きて提訴される可能性もあるといえるでしょう。

仮に裁判が起きれば、訴訟や裁判に時間がかかり、解決できない状態が続けば企業イメージは下がり続けます。

社会的な信用が落ち、取引先と良好な関係を保てなくなったり顧客から敬遠されたりなど、様々なリスクが発生すると考えられるでしょう。

会社が提訴されたときの対象

会社が提訴された場合、会社の代表者ではなく「法人」が訴えられたことになります。

ただし代表者も裁判の被告となるため、代表者宛の訴訟を会社に対する訴訟と表現するケースもあるようです。

会社と代表者を共同被告として訴えるケースもあり、場合によっては他の役員や従業員なども一緒に被告にされることもあります。

会社に対する訴訟で対応するのは誰?

会社が訴えられたときに、いったい誰が対応するべきなのか?という疑問を感じる方もいることでしょう。

基本的には代表者ですが、これは会社の重要事項に対応することが必要とされているからです。

会社全体の責任が問われている場合には、代表者だけでなく役員や関係部門の責任者なども対応することが必要となります。

社内が一丸となり、訴訟へ誠実に対応することが必要といえるでしょう。

ただし末端の従業員に訴訟が起きていることや協力を依頼するといった形式を取れば、不安を煽ることとなるため、労働意欲低下や離職などにつながる可能性も考えられます。

どこまでの社員が訴訟に関わるべきか、訴えられている内容や状況により適切な判断が必要といえるでしょう。