経営者に有効なキャリア形成とは

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「キャリア」というワードは、経歴という意味で使われることが多いでしょう。しかし実際は、仕事や経験を通じて獲得したスキルや人間性などを含む、広範な意味合いを表すものとされています。経営者の場合、どのようなキャリアがビジネスにおいて有効となるのでしょうか。

経営者とそのキャリア

根本的に企業とは、会社などの法人団体、もしくは個人事業という形態を取り、ビジネスを通して社会に参画していく組織です。その中にあって、主導的な立場に位置するのが経営者となります。

一言で企業とは言っても、その在り方は千差万別です。携わる業種をはじめ、従業員の働き方や求められる能力、社会や顧客との関わり方や期待される役割など、いわゆる経営に関する事項は企業ごとに異なります。

それと同様、経営者の在り方についても、たった1つの絶対的正解があるというわけではありません。むしろ、経営者自身の能力・個性・人柄などの違いによって、それぞれに適合した在り方が存在すると言えるでしょう。それを下支えする要素であるキャリアに関しても同様、何が正しく何が間違っているかなどと、一概には言えないわけです。

経営者の基本的役割

有能な経営者像に関して、総合的な要素が完全一致したモデルは存在しません。しかし、何のために企業経営に携わるのかという目的に着目することで、一部の共通点を見出すことは可能です。

あらゆる経営に共通する目的は、ビジネスを通して収益を上げそれによって企業を維持発展させることと言えるでしょう。その目的に着目した場合、経営者の取るべき役割が3点浮かび上がってきます。その3点をこなす上で有効となるスキルについて考えれば、そのスキル獲得に通じるキャリアにはどのようなものがあるか見えてくることでしょう。

経営に共通する目的を果たすために必要な経営者の取るべき役割3点について、1つずつ見ていきたいと思います。

事業運営

ビジネスとしてどのような事業を行うのか決定し、確実に収益を得ていくための事業計画を立て、それを実行する役割に当たります。

これに関して経営者には、効果的な事業計画を選定する経営戦略能力と、収益獲得の機会を適切に見極める実行力が求められるでしょう。それらを培う基本材料となるのは、携わる業種に関しての充分な知識や、業務プロセスに関する経験です。つまり、その業種についての実務経験がキャリアのベースと言えるわけです。

それにプラスして、的確な経営計画を立案するには論理的解釈に基づく思考力も大きな力となります。それを身に付けるべくあらゆる分野の広範な知識を吸収し、そこから学び取る姿勢を日々持続させることも、有効なキャリア形成と言えるでしょう。

資金配分

企業運営に関して、どの分野にどれほどのコストを費やせば良いのか、適切に判断することも経営的維持発展には有効です。そういったマネジメント能力に反映されるキャリアとしては、経営学の知識や、収入・支出を考慮に入れた実務経験などが挙げられます。

人材配置

適材適所に人員を配置することも、収益アップや企業的維持発展の効果効率を高める上で有力な方策です。これを実践する際に役立つのは、コミュニケーション能力に付随する人間観察力と言えるでしょう。部下や社員の長所短所を把握することで、得意分野を活かし欠点をカバーする配置が見極められ、業績アップに繋げることも可能となります。

これに関しては、コミュニケーション能力の高さや、上司あるいはリーダーとして部下の業務管理に携わった職務経験などが有効なキャリアと言えます。

まとめ

以上のように、一般的な企業目的に照らし合わせて考えた場合、経営者にとって有効となるキャリアについて考えてまいりました。

事業運営・資金配分・人材配置に活かせるキャリアとしては、主に実務経験・論理的思考力・コミュニケーション能力が挙げられますが、それのみが経営者としての価値を決定づけるわけではありません。

自分自身がこれまでの人生で得てきたキャリアを見つめ直し、そこから仕事に活かせる要素を見出すことができれば、それが経営者としての大きな武器ともなるでしょう。