会社の事業をスムーズに承継しようと考えた場合、中長期的な視野に立った事業計画の立案・実行が必要になります。このような場合、有効なものが事業承継計画書です。事業承継契約書の作成と、その必要性についてみてみましょう。
【事業承継計画書の作成方法】
事業承継計画書の作成手順としては以下のようになります。
・会社の経営資源の状況を把握
従業員数や、従業員の年齢構成、資産、自社の技術、経営ノウハウなどの状況を明確に分析し、自社の強みや弱みを正確に把握します。
・企業を取り巻く経営環境とリスク
市場や、同業他社の動向、経営など会社を取り巻く経営環境を把握し、どのようなリスクがあるのかを明確にしておきます。
・経営者の資産や負債
会社が現在保有している資産や、株式を確認し、経営者個人の財産、負債、個人保証の有無なども確認しておきましょう。
・後継者の有無
親族または従業員などに自社を引き継ぐ後継者がいるかどうか、いる場合は後継者としての能力や、適性を判断します。適任者がいない場合は、M&Aなどの方法を使い事業承継を行う準備を始めます。
・相続問題
事業承継を行う前に、法定相続人が複数人いる場合はその把握と、自社株式の保有状況、財産分与などについて話し合いを行い相続財産の特定をしておきましょう。
【事業承継計画書の必要性】
上記のような方法で事業承継計画書を作成しますが、その必要性についてもしっかりと理解しておきましょう。
企業における事業承継は、単にトップが入れ替わることで終わるという簡単なものではありません。事業承継は長期的なプログラムで、最低でも10年はかかると言われています。経営面で考えると、後継者の成長と後継者が経営しやすい組織体制の整備が必要になります。
事業承継を行うまでの10年間後継者がどのように過ごせばいいのか、準備すること、学ぶべきことなどを事前に計画を立てて進めるためには「事業承継計画書の作成」は必要不可欠になります。
まずは、現経営者の思いや経営理念、後継者や従業員などに対する思いを形にして、何をどのようにして承継していくのか方針と課題を決めましょう。
課題を明らかにし、課題解決のためにどのように進めていくのかを考え、「事業承継10年計画書」を作成してみましょう。
【まとめ】
事業承継計画書は、現経営者の思いや、経営理念、後継者に託す思いなど様々なものを明確にしたものです。具体的な作成に関しては、ある程度知識も必要になりますので専門家と相談しながら進めていくようにしましょう。