円滑な事業承継のためには、事前にしっかりとした準備が必要になります。現在、健康な経営者もいつ、病に倒れたり、事故に遭い事業が継続できなくなるかわかりません。その時に慌てない為にも、事業承継は早めに計画的に取り組んでおく事が大切です。
【事業承継対策をする必要性】
経営者の高齢化が進む中、後継者不足に悩む企業も少なくありません。特に中小企業には、これは深刻な問題となっており、十分な対策を取っていなかった為に、相続時に紛争が起こったり、事業継続が困難になり廃業に追い込まれ企業も少なくないのです。この様に、企業にとって事業承継対策は大変重要な問題なのです。
事業承継対策を行った企業は、取引先と信頼関係を維持できる、従業員の雇用確保ができる、今までの事業をスムーズに承継する事が出来るなどのメリットがあります。
一方、事業承継対策を何もとっていなかった企業では、取引先などから経営の継続を不安視され、そのため銀行などの金融機関から融資を断られたり、事業や従業員が不安定になったり、相続時にトラブルが発生したりするリスクがあります。
【企業が承継するもの】
事業承継は、相続税対策と思われがちですが実は事業承継で承継するものは相続税だけではないのです。事業承継で企業が承継するものは、「人、物、お金、知的資産」と言われています。事業承継は、今まで経営者や先代が培ってきた様々な財産（人、物、お金、知的財産）を後継者にスムーズに承継させる事が経営の安定のためにも重要なのです。
特に目に見えにくい資産として、経営理念や、社長の持っているノウハウ、信頼、信用、営業秘密、顧客の情報、得意先や取引先の人脈、信用などがあります。これらは自社株や、企業財産、企業用不動産などとは異なり目に見えにくく、わかりにくいものですので、承継時には特に慎重な対策が必要でしょう。
【事業承継の事前準備】
事業承継は、ある日突然にやってくるものですし、そのための準備期間として最低でも5年は必要になると言われます。
近年は、後継者不足や在任している社長の平均寿命が伸びた事などから、事業承継の準備を開始する時期も遅れがちです。今会社の経営に何も問題がなく、社長が健康であっても早めに事業承継準備に取り組み、後継者が事業を承継した時に余裕をもって経営ができる様にしておく事が大切です。
【まとめ】
事業承継は、思った以上に多くの期間が必要になり、現在後継者がいない場合は後継者探しから始めなければいけません。また相続税、贈与税などの税金対策を必要になるでしょう。
その時に慌てないためにも、余裕をもって事業承継対策を行う様にしましょう。
