株主代表保障保険(会社役員賠償責任保険)に加入すると下記のようなメリットがあります。近年増加している株主代表訴訟に対応する為このような保険に加入するメリットや保険料負担についても経営者はぜひ知っておくと良いでしょう。
【訴訟のリスクを軽減できる】
平成5年の商法改正以来役員の責任を追及する株主代表訴訟は急増しており役員は訴訟のリスクを常に背負っているのです。もしも株主代表訴訟保険に加入していなければ経営者は常にこのような事を意識しながら経営しなければならず、経営に専念する事も難しくなるでしょう。さらに常にリスクを考える為経営が保守的になってしまいます。このようなリスクを抱えながら経営を続けていく事は将来的な会社の発展や活性化を妨げる事にも繋がります。
【役員の財産を守る】
株主代表訴訟は株主が役員に対して個人責任を問う事のできる制度です。訴訟で役員が仮に敗訴した場合、役員は自己の財産から損害賠償金を会社に支払わなくてはなりません。このような時に株主代表訴訟保険に加入していると役員個人の訴訟による財産的損害を保障してくれるので安心です。更にこの保険には弁護士費用なども含まれている為防御費用を確できるというメリットもあります。
【役員退任後や相続人にも対応】
この保険は保険契約が継続している限り役員退任後も継続して保険の保障を受ける事ができます。また訴訟後に役員が死亡した場合などはその多額の訴訟費用や賠償金は相続人が引き継ぐ事になりますがこのような相続人の負担にも保険が継続している間は保障されます。
【訴訟費用の前払い】
訴訟を起こすと長い年月がかかりその間に支払う弁護士費用等にも多額のお金が必用になります。仮に勝訴してもその間にかかるお金は役員の個人負担になり経済的負担はとても大きくなるのです。このような時に株主代表訴訟保険に加入していれば免責条項に該当しない限り紛争の解決に先立って訴訟費用を請求する事ができる為、役員の負担は大幅に軽減されます。
【保険料の負担割合】
会社と役員の保険料の負担割合は基本保障部分については会社が保険料を負担しますが、株主代表訴訟敗訴に関わる部分については役員の個人負担となります。保険料の負担の比率は一般的に全保険料に対して会社が9割、役員が1割となっています。
【まとめ】
株主代表訴訟保険は以上のようなリスクに備え役員が安心して仕事に専念できるメリットや万が一訴訟が起こっても経済的負担を大幅に軽減する事ができる点など多くのメリットがあります。現在7割以上の上場企業が株主代表訴訟保険に加入していると言われています。これを機会にまだ加入していない経営者の方は、近年増加傾向にある株主代表訴訟に備える為、また企業や役員を守る為にも加入を検討してみてはいかがでしょうか?