経営を進めていく中で様々な判断を素早くしなければいけない局面が出てくると思いますが、その判断を下す「基準」を会社の経営者は確立しているでしょうか?
今回経営をする上での判断の基準になるものについて考察してみました。
【二つの要素に絞って考えてみる】
経営の判断基準について考えてみると大きく二つの要素があることに気づきます。
まず一つ目が会社の経験則ともいえるデータに裏付けられた「論理的判断基準」でもう一つがモラルなどの社会的道徳観などに裏打ちされる「非論理的判断基準」となります。
【論理的判断基準について】
論理的判断基準のなかで最も分かりやすいのが売り上げや利益など「数字」で表されるものではないでしょうか。
「お金は後からついてくる」という考え方をしている方も中にはいますが、論理的判断基準の上これではだめです。
例えば「この分野に現状いくら経費をかけていて、そこからどれくらいの収益が見込めるか?」など数字に落とし込んで、その根拠を示せないと論理的な判断とは言えません。
売り上げ成長率、利益水準など数字にできるものは「見える化」し、その「ボトルネックになるものがどこにあるのか?」を分析し改善策を講じるところまでできなければなりません。
このように会社の指標となるものを数値化し、それを経営の判断基準にすることは大切です。
【非論理的判断基準について】
一方の「非論理的判断基準」についてですが、経営は難しいもので論理とは関係のない、つまり損得勘定だけではどうにもならないことに対して判断を下さなければいけない局面も多くあります。
例えば、取引先に対して不手際があり会社に大きな損害を引き起こしてしまった場合に損得勘定だけを考えていては先方や自社員からの信頼も失われてしまうでしょう。
経営上ここで重要なのが、「数字にできない」もしくは「数値化しづらい」ことに対してどこで何を基準に判断するのかということになります。
そこには「哲学が必要だ」という経営者もいれば、「倫理観だ」という経営者もいるでしょう。
しかし、ここで大切なのは「何が正解か」や「どこに判断の根拠を求めるか」ではなく、経営には「数字以上に大切なこともあるということを知っている自分がいる」と経営に対して少し俯瞰して見ることができる視野を持つことではないでしょうか。
【まとめ】
いかがでしたか?
経営判断の基準はどの経営者も日々追い求め、また時代の中でも変化していくものだと思います。それだけに「これが基準だ」と断言するのはとても難しいように思います。しかし、数字に落とし込めるものは落とし、数字にできないものはなぜそうできないのか、またそこにどんな判断基準を立てていくのか?それらを総合的かつ客観的に分析できたらよいと思います。