会社の立ち上げの際の動力源は何だったか覚えているだろうか。突き詰めていくと、経営者自身の考え方や理念など大きく関わっているはずである。成功者は、自分自身のことをよく理解して行動していることからも、経営者自身のタイプを理解することは大切なのだ。
■経営者の3タイプ
自身を客観的に「第3者の視点」で冷静に見てほしい。経営者には「3つのタイプ」=開発タイプ、営業タイプ、管理タイプがあり、この3つを具体的に見ていくことで「何を得意としているか」が分かる。
①開発タイプ型の経営者
このタイプは、「いかに良い商品を作ったか」で勝負する経営者だ。どちらかといえば、技術者の位置に近いといえる。欲しいと思えるような商品「価値」を生み出し、相応の対価を得ようとするタイプで、町工場の社長をイメージすると分かりやすい。
妥協を許さず、判断に絶対的な自信のある(これだという価値をもっている)タイプといえる。良い商品を作ることには抜きん出ているのだが、営業能力に関しては力があるとはいえない。
純粋に良い商品だけを作っていても、開発にかかったコストを回収するだけの能力がなければ会社を継続することは難しい。開発タイプ型の経営者は、技術者に近い為ビジネスとして会社を捉えることができない場合があるということだ。
もしこのタイプの人がいるのであれば、営業や管理面に対しても「価値があるものだ」と商品同様に考えてみることが大事ではなかろうか。
■営業タイプ型経営者
営業タイプ型経営者は、例え他者と似ている特徴がある商品であっても、営業の売り込み方(価格の駆け引き)で利益を上げることができるのが特徴だ。
価格の駆け引きや、世の中の情勢の流れを観察することが優れている為、対応を柔軟にすることができ利益の増減が例えあっても、潰れない会社になるケースが高いといえる。
だが、どんなに営業が上手であっても、商品の価値が感じられないものであれば、買い手は減っていく。例えば、どこにでもあるようなリンゴをあたかも価値のあるかのうように売ることができる能力(宣伝方法)はあるのだが、それでは詐欺だ。
営業タイプ型経営者は、具体的な利益が見えなくなった途端に恐怖を人一倍感じるのが特徴だ。仮に「利益が見えない」という恐怖を感じてしまうと、何としても利益を出そうと無理をする傾向にある。
この手のタイプは、「利益の減少は一時的なものである」という認識ができにくい。その為、営業タイプ型経営者かもしれないと思われた方は、商品の価値を高める「製品開発」に力を入れることや、広い視野(管理など)をもてるような工夫(環境)が大切となる。
■管理タイプ型経営者
管理タイプ型経営者は、会社を総合的に見てリスク管理やデータを基に状況判断を徹底してできるタイプの経営者だ。会社の将来像などのビジョンがしっかりしており、資産運用や利益の管理など堅実にすべてをこなすことができる。
「これなら成功する」と判断すれば、それが大胆なことであっても行動にうつすことができるタイプだ。会社を地道に大きくしていきながらも、他を圧倒し、いつのまにかその分野のトップに立つこともある。
この手のタイプは、安定した利益と持続性のある会社経営が見込める。だが、管理タイプ型である為、「魅力的な商品」=「管理するもの」がなければ本領を発揮できない。さらに、商品の在庫が残っている状態であれば、営業力をもって解決できなければならない。
「売れ残った商品」や「売れる商品」を比較し、増やしていくのか減らしていくのか調整する管理能力はある。もし、このタイプかもしれないと思った方は「魅力的な商品」の用意と、売り込む方法(営業)を検討してから経営をはじめるといい。
■自信をもって経営をする為に
経営者の3タイプについてお話ししたのだが、いかがだっただろうか。経営者は主に3タイプに分けることができるが、必ずしも1つのタイプにはまってしまうわけではない。幾つか兼ね備えている方であれば、自信をもって経営をすすめてほしい。もし、ピッタリと1つのタイプにはまったのであれば、足りないものを補う気持ちでいくことが大切だ。