経営のコーポレート・ガバナンスとは?~コーポレート・ガバナンスを実現する手段~

経営者の保険

様々なニュースでも注目されている「コーポレート・ガバナンス」だが、具体的にどのようなことをすればいいのか気になっている経営者も多くいるのではないだろうか。今回は、コーポレート・ガバナンスとは何であるのか、知っておきたいことを見ていく。

■コーポレート・ガバナンスとは?

まず、コーポレート・ガバナンスとは「どのように企業をコントロールするのか」=「企業統治」という意味がある。シンプルにいえば、株主のためにしっかりと企業経営を行っているのか監視するシステムのことだ。

このコーポレート・ガバナンスを行うことで、企業の不祥事を防ぎ企業価値や株主の利益を増やすことが目的ともいえる。さらに、社会の評価が高まるということは、営業利益が上がる=「株主の利益に繋がる」のだ。

コーポレート・ガバナンスの要素としては下記がある。

・内部統制の確立
・経営の透明化、健全性、遵法性の確保
・迅速かつ適切な情報開示
・経営者並びに各層の経営管理者の責任の明確化
・各ステークホルダーへのアカウンタビリティー(説明責任)の重視・徹底

■コーポレート・ガバナンスの必要性

上場企業では「コーポレート・ガバナンス等に関する報告書」の提出が必要となり、コーポレート・ガバナンス・コードを遵守する必要があるため、企業統治体制を整えることが必須となっている。

非上場の中小企業であれば、コーポレート・ガバナンスの必要性は小さいといわれているが、不祥事を防ぐためには企業統治体制を整えることがこれからの社会では信頼問題として必要である。

■コーポレート・ガバナンスを維持していく

コーポレート・ガバナンスを維持していくためには、以下のポイントが起こらないように注意が必要だ。

・不祥事をもみ消そうとする意識
・経営者が自分の利益に走る
・営業利益のみを追い求め法律を守らない
・企業理念が形式のみになる
・組織間で情報が分断される

また、コーポレート・ガバナンスを実現させるために主な手段は下記となる。

・不公正な取引の規制・開示
・内部統制の仕組みの強化
・委員会設置会社の選択
・社外取締役、社外監査役の増員
・社員の行動規範や企業論理憲章の設定
・法務部の拡充・強化
・情報開示体制の確立
・意思決定の会議体において様々な人が議論できる
・監査役のスタッフ部門(内部監査室など)の拡充・強化

以上のようにコーポレート・ガバナンスの目的は企業の経営の透明性を確保し、株主などの利害関係者への説明責任を十分に行って、企業の社会的な価値を高めることだ。

日々の仕事の中で、起こる違法行為(事故など)を未然に防ぐための内部統制の機能強化をし、社員に周知していく必要がある。社員全員の内部統制が機能している=「企業統治強化・企業価値の向上」に欠かせない。