雇われ社長に就任した時には、会社の経営が順調にいっていても、数年経つと思いもよらなかった事が起こる場合があります。雇われ社長のリスク顕在化についてみてみましょう。
【雇われ社長のリスク顕在化】
雇われ社長には、下記のような思いもよらないリスクがあります。
・雇われ社長に就任後、会社が金融機関で新規に借入金をした場合連帯保証人になるリスクがあります。この場合返済が終わるまでは、その責任がありますので気を付けなくてはいけません。
・会社が法律を犯すような事をした場合や、第三者に対して損害を与えるような事をした場合には損害賠償請求をされ、雇われ社長もその責任を問われます。
・会社の経営が悪化した場合、自身の報酬の減額や社員をリストラして経営悪化に対しての責任を取る事になります。
・株主総会で株主の意向によって解任されるリスクがあります。
・雇用保険に加入できなかったり、労働基準法の適用がされないリスクがあります。
これらは、雇われ社長のリスクのほんの一例ですがこのようなリスクがある事を知っておきましょう。
【リスクに対応】
このような様々なリスクに対して、雇われ社長はどのように対応していけばよいのでしょうか?
雇われ社長に対する全てのリスクを、未然に防ぐ事は難しいですが、リスクを軽減する事はできます。
まず、雇われ社長に就任する前にオーナーとしっかりと話し合いを重ね、お互いの意向を伝え合う事で多くのトラブルは防ぐ事ができるでしょう。
例えば、会社の経営が悪化した場合の報酬の減額の有無、新規の借り入れに対する連帯責任、雇われ社長の任期、解任される場合の正当な理由など細かく決めておきましょう。
そうする事で後から、細かな事で揉める事が少なくなりリスクを軽減する事ができます。
また、雇用保険の代わりに雇われ社長にお勧めなのが「中小企業退職金共済」という保険です。
自身でこのような保険に加入する事で、解任時のリスクに備える事ができます。
【まとめ】
雇われ社長にあるリスクの顕在化はできましたか?就任時には気づかない様々なリスクも多くありますので、ぜひ就任前に一度じっくりと考えてから決断をするようにしましょう。
また雇われ社長のリスクを軽減する為にも、自身の責任のあり方や任期などについてはオーナーと綿密な話し合いをする事が大切です。
更に、就任前は勿論ですが就任後にもオーナーと方向性を確認したり、意思の疎通を図っていく事が大切です。