法人企業の損害賠償責任について、「請負業者賠償責任保険」というものがあります。請負業者賠償責任保険は、工事を請け負う業者は必ず加入しておきたい法人保険と言えます。
請負業者賠償責任保険について、どこまで保障がされるのか、どこは保障外になるのかなどについて詳しく見てみましょう。
【請負業者賠償責任保険】
企業が請け負った仕事を行うために「所得」「使用」「管理」している施設などが原因で他人の身体や、物に損害を与えた場合に企業側は損害賠償請求を受け、その責任を負うことになります。
但しすべての損害に対して保障されるわけではなく、作業中の事故によって賠償責任を負った場合にのみ保険からカバーされることになるため、注意が必要です。これ以外のリスクに対しては、別の保険で補填する必要があります。
【請負業者賠償責任保険の対象になるもの】
請負業者賠償責任保険の保障の対象になるものは、下記のような場合です。
・各種地下工事
・道路建設工事
・道路等の舗装工事
・軌道建設工事
・ビル建設工事
・橋梁建設工事
・各種建築物
・設備工事
・移動・解体・取り換え工事
・プラント・機械設置の組み立て・据え付け工事
・荷役・清掃・造園・芝刈・草刈り作業・除草作業・殺虫
・引越し・運送・撮影・取材・除雪・調査・測量・放置車両・確認業務
【請負業者賠償責任保険の契約の種類】
契約の種類は下記の通り2種類あります。
・年間包括契約
事前に決めたすべての工事・仕事について一括して保険の手配をします。例えば、「被保険者が施工するビル建設工事」や「道路の舗装・修繕工事」などと言ったように保険の対象を決めることができ、包括的に保障がされます。
年間で加入するため、かけ忘れがなく、事務手続きの簡素化もできるというメリットがあります。一般的には、年間包括契約が選ばれています。
・個別スポット契約
個々の工事や、施工についてそれぞれ保険を付ける方法です。各工事や施工期間に応じて保険の期間を設定したりする必要があります。その都度保険の申し込みや、手続きが必要になるため手間がかかるのがデメリットです。
【まとめ】
請負業者賠償責任保険は工事を請け負う会社は、必ず加入しておきたい保険ですが、保障範囲が工事中や作業中の損害のみ対象になることを覚えておきましょう。
また必要に応じて、建設工事保険やPL保険等を検討するとよりリスクに対する備えができるので安心です。