経営者のメンタルヘルス対策~企業経営者・担当者が知るべき睡眠の重要性~

経営者のリスク

経営者にもメンタルヘルスの問題があるように、社員にも当然メンタルヘルスの問題がある。社員にメンタルヘルス不調が起きると、さまざまなリスクが会社全体に影響する問題になりかねない。今回は、経営者のメンタルヘルス対策を見ていく。

■メンタルヘルスケアの重要性① 従業員のリスク

精神面の健康=「メンタルヘルス」であり、安定した企業活動を継続していく為には社員のメンタルヘルスケアが重要となる。メンタルヘルス不調は、社員だけではなく企業にも多くのリスクを与える可能性があるのだ。

◎メンタルヘルス不調で3つの病のリスク
年々、メンタルヘルス不調により精神疾患を患う方が増えていっている。特に多いのが「うつ病」「不安障害」「適応障害」となっている。適切なメンタルヘルスを行うことができなければ、ますます精神疾患の患者が増えていくはずだ。

・うつ病
主に持続的なストレスや不眠が引き金となりうつ病になるといわれている。症状として、意欲などの低下、食欲不振、不眠症状が毎日ように続くものだ。適切に対処しなければ、重症化し、自殺を引き起こすことにもなる。

企業が早期に発見し、介入していくことが大事になる。

・不安障害
不安障害は、はっきりとした理由がないのに、強い不安や恐怖を感じる疾患である。持続性のある不安は、仕事で多くの支障があり頭痛や不眠など、身体的な不調もさまざま引き起こしていく。

不安障害は、病気であるのか正常なのか判断がつきにくいものだが、必要以上に不安が続く場合には不安障害を疑うことが必要である。

・適応障害
適応障害は、特定できるストレスに身体や心が過剰に反応している状態だ。うつ病などに比べて重篤ではないのだが、この状態を放置するとうつ病などの精神疾患に進展する可能性があるといわれている。特に不眠が続く場合には、症状が悪化していくといわれている。

■メンタルヘルスケアの重要性② 企業のリスク

従業員が健康問題を抱えていると、企業に大きなリスクがある。例えば、業務効率の低下や休職などに発展していき「生産性の低下」「社会的な信用問題の低下」「コスト面の問題」に繋がっていくのだ。

・生産性の低下
メンタルヘルス不調になると、思考力や集中力、意欲が低下していくものだ。そうなると、当然仕事の安全性や生産性が低下していくのである。

・社会的な信用問題の低下
メンタルヘルス不調の方が休職すると、周囲の社員のストレスも増すばかりでなく企業イメージを悪化させる要因にもなる。

メンタルヘルス不調の方が多い職場で働きたいと考える人はいないものだ。その為、メンタルケアを積極的に取り組んでいる企業は、就職希望者も増えていっている。

メンタルヘルスの対策は、有能な人材を確保する為にも良好な企業イメージを与える為にも重要なのである。

・コスト面の問題
休職者が増加していくと、

・休職している方の給与
・社会保険料の負担
・代替要員の手配

などのコスト面での負担が大きくなる。事実、労働者の休業理由の多くは、メンタルヘルス不調が占めているのだ。

企業がキチンとメンタルヘルス不調を予防する安全配慮義務をしていないと、多額の損害賠償が企業に求められるケースもある。その為、職場のメンタルヘルス対策は企業のリスクマネジメント面からも欠かせなくなっている。

企業が主体となりメンタルヘルス施策を導入する為には、経営者がメンタルヘルスについ正しい知識を持つことや、気軽に社内で相談できる窓口をつくることが重要となる。

特に睡眠問題がメンタルヘルス不調の最も大きな要因となっており、精神疾患は不眠から始まっているといってもいい。睡眠は脳を休める為に必要な時間である為、睡眠が十分でないと脳の疲労は蓄積し、さまざまなメンタル不調が生じるのだ。

社員のメンタル面を管理する為には、まず睡眠をしっかりとれているのかを確認していくことが大事だ。