経営者はいろいろな面で、リスク管理を考えなければなりません。税金対策もその一つです。税金の支払いが減る事は、その分の収益が増える事にもつながります。経営者リスクとして必要な税金対策の考え方について紹介しましょう。
法人で出来る節税対策
節税を行う方法には、お金を使わないで実行する普通の節税と、お金を使う事で節税につながる場合もあります。節税で最も一般的な方法は経費をもれなく計上する事で、節税効果が高くなります。一方、お金使う事で節税できるなんて夢のような話ですが、実際には設備投資や保守的節税と全社員に還元する消費的な節税が考えられます。
1.役員報酬の扱い
経営者や役員の報酬を、家族や親族を役員にする事で節税効果が期待できます。あくまでも、適正価格と会社に従事している事を前提とします。
2.営業目的の出張手当を経費にする
出張に関する扱いは、実際に支給された場合でも個人所得には含まれないので、経費としての日当の支払い扱いになり、節税対策になります。商社や貿易関連の会社の節税対策に有効です。
3.決算期を変更して課税額を減らす
会社の収益が決算前に大幅な増額となる場合に、課税の対象額も増える事になってしまいます。決算時期に大幅な収益が見込まれる場合には、その前の月を決算期に変更して節税対策が行えます。ただし、法人登記の定款の変更にあたるので、臨時株主総会を開いて変更の決定を法務局や税務署に対して、決算時期の変更届を必要とします。
4.評価損の仕組みの利用
法人が所有する在庫については、「評価損を計上する」対象にはなりませんが、その商品が劣化や腐敗により通常の販売が出来ないほどの品質と判断される事で、販売の為に割引による差額分を損益として計上する事が可能です。
5.別会社や子会社の設立
新しい会社を設立する事が簡単になった為に、資本金が1円でも可能になりました。1円の会社は実際にはないと思いますが、資本金1億円以下の会社を設立する事で、所得や交際費および消耗品の購入などに対して、税制上での優遇を受ける事が出来て節税対策となります。
6.法人保険は経費となる
法人保険の設定を、損金に対して高く設定する事で経費にもなり、支払い金額を緊急事態における運用資金として、プールする事や社員の退職金に充てる事も可能です。
節税対策がマイナスにならないように注意
経営者が節税対策に力を入れる事は重要ですが、租税の回避や脱税にならないように注意が必要です。適切な対処方法の理解と、事業資金の確保が優先されるべきなのです。利益の増大と会社の継続が基本的な考え方であり、税金対策は無駄なお金の出費を抑える事と、従業員の生活を守る事につながれば良いのです。
まとめ
経営者が行うリスク管理として、節税対策が有効に活用される事が当たり前の考え方です。社員の一人一人が共通の認識として節税を意識する事で、有効な経費の計上と無駄な出費を抑える事が出来、事業資金の確保と利益の拡大につながり、節税対策が成功する事になると考えます。