「経営」と「管理」 その意味と違い

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経営者、管理職という言葉が示すように、「経営」および「管理」は企業において上層部を構成する人々が取り組む部分であると言えるでしょう。その「経営」と「管理」には、各々どのような意味合いが含まれ、どのように違うものなのか見ていきましょう。

「経営」と「管理」 まずは言葉の意味から

初歩的な部分である言葉そのものの意味から、経営と管理について考えてみましょう。
まずは「経営」から見ていきます。複数の辞書を紐解いてみれば、おおむねどれにも、『目的を達成するために方針を定め組織を整えて持続的に事を行うこと』というような意味合いで記されています。

これを会社における経営に置き換えてみると、『会社の目的すなわち社会貢献や利益追求のために、方針すなわち事業内容を定め、組織すなわち会社を用いて持続的に事業を行うこと』、と言えるでしょうか。

続いて「管理」について、複数の辞書から調べた内容をまとめると、『物事が円滑に運ばれよい状態を保つため、基準から外れないよう統制し維持していくこと』と言えそうです。
これも同じく会社内で行われる管理に当てはめて考えれば、『会社全体の事業や従業員個々人の業務がスムーズかつ良い状態で行われるように、ルールや作業内容などを定めて会社を維持していくこと』、と捉えてよいかと思われます。

辞書的な言葉の意味から鑑みると、経営は会社の目的や方針について、管理は会社が実際に行う仕事の実務的内容や従業員の働き方について、それぞれ関連していることが伺えます。

「経営」と「管理」の関連性

もう少し掘り下げて、経営と管理が互いにどう関係しているのかという点に着目してみれば、経営と管理という両者の違いをより明確に捉えられるでしょう。

経営者あるいは経営陣、という言葉に表されるように、経営とは主に会社のトップあるいはそれに準ずる社内の上位組織が携わる部分であり、前項で見てきたとおり会社の目的や方針を決める役割を果たすわけですね。

この説明だけでは会社の立ち上げ時に目的や方針を決めればそれで役目は終わり、と思われるかもしれませんが、もちろんそうではありません。
年月の経過と共に時代も移ろい、それに伴って社会のあり方も変化していきます。創業当初に定められた方針を額面どおりに遵守するだけでは社会の変化に対応できず、会社の目的である社会貢献や利益の追求などがおぼつかなくなることでしょう。

時代のニーズや事業拡大のチャンスその他諸々の要素を考慮に入れつつ、新たな計画や改善策など常に会社の方針について検討し続ける姿勢が経営には必要だと言えます。

経営によって定められた方針を実行に移す、それが管理の役割となってきます。会社での業務といっても、従業員めいめいが自分勝手に活動するだけでは経営で示された目的を達成できません。仕事のノウハウや労働時間の設定その他諸々の規則が取り決められ、従業員皆がそれを守って行動すること、つまり会社の管理体制が機能することで、初めて仕事として成立します。そのことを踏まえて会社はようやく収益を得ることができ、社会的な存在意義を果たせるようになるのです。

まとめ

以上のことから、ビジネスの場において経営とは会社の方針を定めること、管理とは経営で示されたビジョンを実行するための枠組みであること、という双方の違いがわかっていただけたかと思います。経営と管理、その二つは共に会社がきちんと機能するためには欠かせない要素と言えるでしょう。