年金制度は大きく分けて3つからなります。企業年金とはその年金制度の中の一つで一番下に基礎年金がありその次に被用者年金、一番上に企業年金があります。それでは企業年金制度について詳しく見ていきましょう。
【企業年金の種類】
企業年金には「厚生年金基金」「確定給付企業年金」「確定拠出年金」の3種類があります。それぞれの特徴をみてみましょう。
(厚生年金基金)
厚生年金基金は企業が厚生労働省の許可を受けて設立する法人で国の年金給付のうちの老齢厚生年金の一部を上乗せして年金の給付が行われる特徴があります。昨今では運用の悪化により確定拠出年金に移行するか解散を強いられ、法改正によって新規の設立もできなくなりましたので、事実上その役割は終わろうとしています。
(確定給付企業年金)
これは運営の形から「基金型」と「規約型」の2つに分けられます。基金型は企業が厚生労働省の許可を経て運用されるもので300人以上の加入者が見込まれる場合に認められます。また厚生年金基金の移行先として利用されます。規約型は労使合意の年金規約を制定し厚生労働省の承認を受けています。代行は行わず労使の合意によって柔軟な企業年金制度として運営されます。どちらも確定給付企業年金ですので給付は確定されています。年金資金の運用が悪化したり年金資産の積み立てが不足しても約束された年金は支給されるので安心できる年金制度と言えるでしょう。
(確定拠出年金)
これは企業型と個人型があります。企業型は名前の通り企業が運営管理するもので掛け金は原則企業が拠出する事になっています。ですから日本の場合確定拠出年金は退職金として運用される事が多いのです。個人型は国民年金基金連合会にとって運営され掛け金は個人が拠出する事になります。これは自営業者や確定拠出年金のない従業員が加入し掛け金等によって運用収益をもとに給付額が決まります。メリットは公的年金控除や退職金控除が利用できたり、自分の年金資産額がある程度把握できる点があります。デメリットとしては運用によっては給付金額の変動がある事と60歳まで引き出せない事でしょうか。
【まとめ】
企業年金は会社の退職金を退職時に一時金として一括で支払うのではなく、年金として分割して払う仕組みです。これは社員側からみても大きなメリットで一括して老後の資金である退職金を受け取るよりは年金や分割として受け取る方が安心です。会社側も一度に退職金を用意する必要がなく、計画的に積み立てる事が出来るので負担は少なくなります。老後の安定した生活の為にも自分の公的年金と企業年金をしっかりと把握しておく事が大事になってきます。