会社の経営者は従業員を社会保険に加入する義務があります。その場合はどれくらいの負担率と実際の負担額はどれくらいになるのでしょうか?
【社会保険の加入義務】
経営者は従業員を社会保険に加入させる義務があります。この場合の加入義務について法人及び従業員が5人以上の個人事業主は原則として社会保険に加入しなくてはいけません。これは社員一人一人に加入するものではなく法人として加入する事になりそれぞれの社会保険の加入要件は下記のように少し違います。
・健康保険 社員は原則加入義務がありパートでも常用の場合加入義務がある
・年金保険 社員は原則加入義務がありパートでも常用の場合加入義務がある
・雇用保険 社員は原則加入義務があり法人の代表者は加入できない
・労災保険 従業員を雇用した時に加入しなくてはいけない。
このようにそれぞれの保険は少しずつ要件が違いますので経営者は気を付けましょう。
【社会保険の負担割合】
負担の割合は健康保険が社員、会社ともに4.985%、厚生年金が社員、会社ともに負担が8.560%、労災保険が社員の負担なしで会社の負担は0.3%になっています。実際の負担額は給与30万円の社員の場合で見ると会社の負担は月に44,085円になり年間52万円の負担がかかります。このように考えると所得税や住民税よりも健康保険や社会保険の方がキャッシュフローに与える影響が大きい事がわかります。起業したばかりの人はこのように社会保険の負担が大きい事をしっかりと理解しておかなければいけません。
【加入のメリットデメリット】
社会保険に加入するメリットはいくつかあります。まず初めに厚生年金に加入している方が国民年金よりも将来貰える年金額が多くなる事です。また失業した場合や病気や怪我で働けなくなった場合に社会保険や雇用保険から給付金が出る事でしょう。デメリットは経営者が負担する社会保険料が思ったよりも高い事です。ですから経営者は従業員を採用する時にはどれくらいの負担が発生するのか意識しておく必要があります。
【まとめ】
いかがでしたか?経営者の方は思っていたよりも多くの社会保険料の負担がある事がわかったのではないでしょうか?もしも加入していない場合は最大で2年の追徴金や法的な罰則があったり関係者から損害賠償請求をされたりするケースもあります。社会保険は社員が安心して働く事ができたり社員の生活を守る社会制度として経営者は加入する義務があります。