「税理士職業賠償責任保険」とは、税理士または税理士法人が資格に基づいて行った業務において、何らかのミスから納税者が過大申告をしたり、過大納付した場合に保険金が支払われるものです。賠償金が発生するリスクがあるものの個人税理士の加入率は48.3%となっておりそこまで多くないのが現状です。
税理士職業賠償責任保険に加入する必要性や保障内容などを詳しくみてみましょう。
【税理士職業賠償責任保険とは】
この保険は、日本税理士連合会を保険契約者とし税理士及び税理士法人を被保険者とする団体契約保険です。保険には開業税理士や所属税理士を対象とする個人保険と、税理士法人を対象とする法人保険の2種類があります。
ただしこの保険に加入しておけば税理士のすべての賠償責任が保障されるわけではありませんので、保障内容についてはしっかりと把握しておきましょう。
賠償責任保険の保障内容は、税理士または税理士法人がその資格に基づき行った業務に起因して保険期間中に日本国内で損害賠償請求を受け、賠償責任を負った場合の費用等が保障されます。
例えば、消費税の簡易課税制度の選択ミスや、届け出失念という事で過大納付になって納税者に損害賠償請求をされた場合などに保険金がおります。
【税理士職業賠償責任保険の必要性】
税理士の約半数が加入している職業賠償責任保険ですが、その必要性を考えてみましょう。
加入していない人の多くは、きっと「自分はミスをしないから大丈夫だ」という考えの方が多いのではないでしょうか?
ミスをしないためにチェックを2重にする、チェックリストを作成するなどの方法でミスを防げばよいと考える人が多いのですが、いくら対策をしても人為的ミスは発生します。このようなミスが発生した時のリスクを最小限に抑えるために賠償責任保険に加入しておくと安心です。
特に開業間もない税理士や個人で税理士をしている人は、法人と異なり万が一自分のミスで顧問先に不利益を与えその賠償額を請求された場合、貯蓄だけで払える人は少ないのではないでしょうか?このようなリスクがあるため、十分な貯蓄がない人は万が一に備え保険に加入する必要性は高いと言えます。
【まとめ】
税理士職業賠償責任保険は、税理士側の過失によって賠償責任を負った場合保障される保険です。
このようなリスクに対し、十分な備えがある人は保険に加入する必要性は低くなりますが、それ以外の人は万が一のリスクに備え加入を検討しましょう。