【はじめに】
中小企業の経営者においては、「財務の必要性」への理解を深めていくことは非常に重要です。
ただ漠然と「売上さえ上がればなんとかなる」という考えは危険です。
財務の必要性への理解について具体的には「お金の流れを把握する」「身の丈を超えた案件を受注しない」「損益計算書や賃借対象表を読み解く」「必要な賃金調達ができている」「余裕資金の投資先の計画を立てている」ということが挙げられます。
【経理と財務の違いについて理解する】
財務の必要性を理解するうえで、財務と経理の業務の違いを理解しておくことは、非常に重要です。
そこでここでは「財務」と「経理」の違いについてご紹介しましょう。
「経理」は日々の会計取引を記録して、帳簿にまとめることで「損益計算書」や「賃借対照表」などを作成する業務をいいます。
また「財務」は、経理がまとめた決算書や帳簿をもとにして、会社の資金繰りや予算管理、資金調達(銀行融資)、余裕資金の計画を立てる業務を行っています。
つまり経理は会社のお金の出入りを算出するもので、過去の活動を振り返る「過去会計」であり、財務は事業活動に必要な資金の計画を立て、足りないときは資金調達し余裕があれば新たな投資先を検討するものです。未来を予測するので「未来会計」ともいえるでしょう。
【押さえておきたい財務の業務】
財務の業務について細かく見ていきたいと思います。
1つ目は資金繰りについてです。これはすでに予定されている支払いと、売り上げ代金の回収タイミングを見つつ、キャッシュ(手持ち現金)の流れを把握することです。資金繰りを表にまとめたものを「資金繰り表」といいます。
2つ目は、資金管理で資金ショートを防ぐものです。
予算管理は、売り上げや必要経費の計画を立てて実績の把握・分析して、分析結果を踏まえたうえで戦略や活動の軌道修正を行うものです。
3つ目は資金調達です。資金調達を行ううえで重要なのは「調達先」と「調達理由」です。「調達先」として挙げられるのは、親族や友人知人・日本政策金融公庫・メガバンクと言われる大手銀行や地方銀行・信用組合や信用金庫などが挙げられます。また調達理由としては、運転資金の補充や新たな事業を興すため(設備投資)、金融機関との関係性づくりのためなどが挙げられます。
4つ目は、余裕資金の計画です。余裕資金ができたときには、次の利益を生み出すために、堅実な計画を立てることが重要です。
【まとめ】
中小企業の経営者は、売上至上主義になり財務をおろそかにする傾向にありますが、財務の必要性を正しく理解し、会社の成長へとつなげていきましょう。