経営の場での戦略・戦術とは何を意味しているのだろうか。戦をするからには、勝たなければ意味がないし、目的がはっきりしていなければ戦略・戦術をする意味が見失われる。今回は、経営の場での戦略・戦略とは何であるのか、分かりやすく見ていく。
■戦略と戦術の前に目的を考える
結論からいえば、ビジネスの目的は利益の獲得であり社会貢献で、
・顧客の問題解決
・利益を得る
・雇用を生む
・税金を払う
ということがビジネスの存在意義だ。何も考えずに無駄な戦いをしない為にも、戦略のシナリオが必要不可欠で、戦術を使って目の前の壁を突破していかなければいけない。
何も考えずに経営を行い、時間・人材・お金を意味のないことに活用するべきではないということだ。
■身近なトランプゲームから考える戦略・戦術
経営において自社の強みとなる核が見つかり「これしかない」と思えたのであれば、素晴らしいことだ。そのような場合には戦略・戦術が活きてくる。
例えば、トランプゲームの7並べを考えると分かりやすい。目的は、誰よりも早く手札のカードを全てなくして勝つことであり、その為に戦略・戦術がある。
はじめに全ての7のカード(ハート、ダイヤ、ミツバ、スペード)を置いて、その左右の数字(6、8)があれば置いて手札をなくすことができる。このとき何も考えずに目的に向かってしまうと、戦略・戦術を用いている相手に負けてしまう。
例えば、手札にキング(ダイヤの13)があったとする。勝つ為には、不利といえるキングをいかに出すかということでもある。そう考えると、キングを出す為に相手にキングに繋がるカードを出させる誘導をしていかなばならない。この誘導はシナリオであり戦略である。
この戦略を実現させる為には、戦術が必要で相手のカードを読む力が求められる。例えば、相手がハートの数字のカードをいくつか持っていると判断したら、途中であえて出さずにせき止めるのである。
相手はせき止められると、他のカード(ダイヤ、ミツバ、スペード)を出していかなければいけない。これが戦術である。
このように、目的を決めて「どのように儲かるのかシナリオを考える」のがビジネスにおける戦略だ。他社との競合があるのであれば、相手がどのカードを持っているのか推測し、先手を打つ構想を練らなければいけない。
例えば、商品の価格競争をしていく流れ(シナリオ)が分かるのであれば、あえてそのマーケットに参加せず、独自の価値提供となる一手(戦術)を放つこともできる。
自社も他社と同じカードの種類(ハート、ダイヤ、ミツバ、スペード)を出していくことが正解ではないということだ。
目的(利益の獲得など)の為に独自のシナリオを描き、有効なカードを考え出し、あるいはあえてカードを出さないことで、他社との競争に勝ち経営を有利にもっていくことができる。
このように、シナリオ(戦略)を考えて、手段(戦術)を行い目的達成を目指していくことが経営には重要だ。