経営基盤を築き上げていく目的は、経営を受け継ぐ者がいた際に、今後も「安定した経営ができる」という点でメリットがある。だが、経営を受け継ぐものにとってはメリットだけではない。不要となった経営資源を引き継ぐというリスクもある。今回は、経営基盤とは何であるのか、何の為に必要であるのか見ていく。
■受け継ぐものの為に経営基盤の強化
経営基盤を築き上げて、強化していくことは大切なことだ。経営者が力を発揮できずに経営が行き詰まることも少なくない為、とくに経営基盤おいて下記の要素を軽減しておくことを求められる。
・債務の圧縮
・個人保証や担保の軽減
・不採算事業からの撤退
これらを少しでも軽減しておくと、経営を受け継ぐ際に円滑にすることができる。経営を継続していくことは、社会的責任を果たすことでもある。その為にも、継続的に利益を獲得し成長していくことが求められる。
自ら価値を生み出し、その価値を高めていく経営基盤が必要だ。経営基盤の強化として主な課題は、
・貸借対照表のスリム化による資本効率の向上
・損益計算書の見直しによる収益力の向上
となる。経営基盤を強化していくことは、将来の利益・企業価値が高まることでもあるのだ。
■経営基盤を強化する重要性
経営基盤を強化する為には、以下に焦点を定め効率化することが必要だ。
・財務基盤(決算書類の透明性向上、貸借対照表のスリム化)
・事業基盤(事業の選択と集中、事業撤退の意思決定)
・業務基盤(業務プロセス改善によるコスト軽減、義理取引解消の事例を探る)
・組織基盤(組織的に意思決定を行うオープン経営の実践)
経営者は、経営を引き継ぐものの為に本質的な課題を整理し、経営に専念できる環境を準備することが大切だ。そもそも本質的な課題が分かれば、今現在の経営に活かせることができる。
経営基盤を強化していくことは、ムダなものを効率化し企業の価値を高めていくことであり、ムダなことには必ず原因があるものだ。その原因を究明し、場合によっては組織を根本から見直す改革が必要になることがある。
例えば、経営者(社長)がルールという会社では、社内のルールを作ることでムダをなくしていくことができる。経営者に依存しないルール整備「自ら考える」改革をしていくことで、経営基盤はより盤石なものとなるのだ。
企業の将来を考えるのであれば、健全な経営基盤をしっかりすることが重要であり、経営を引き継ぐものの為にも重要なことである。