経営者にとって有益な読書・その読み方と活かし方とは

経営者のリスク

企業をリードする経営者にとって読書は、己のスキルを磨く上で有効な手段の1つと言えます。日々のビジネスに良い形で反映される読書の在り方とはどんなものなのでしょうか。それを実現する第1歩として、どのような本を読むべきなのでしょうか。考えていきたいと思います。

基礎として読むべき書物

経営に限らず、あらゆる分野において、その分野の書籍を読むことは知識およびノウハウを身に付ける手段として有効です。しかし、とにかく本を読んでさえいればスキルアップに繋がるとは限りません。実用に役立てるにはまず、本の内容を吟味して何を読むのか選択することが第1歩と言えます。

では、経営の舵取りを担う立場の方が読書する際、自身の業務に有効活用できる本はどのようなジャンルが適しているのでしょうか?

その答えの1つとしては、自身の携わる事業に関連した内容の書物が挙げられます。読書を通して、現在着手中の事業について、知識とノウハウを深めることができるでしょう。

そしてもう1つの答えとして、企業経営に関連する書物も挙げるべき重要な分野と言えます。具体的には、会社組織の運営管理に相当するマネジメント、販売における戦略的手法を考えるマーケティング、企業活動に欠かせない資金調達を扱うファイナンス、などといったジャンルが該当します。

これら、事業分野と企業経営分野の知識とノウハウを学ぶ上で、読書は自己のペースに合わせて進めていくことが可能な学習方法です。日々タイトなスケジュールをこなしていく必要がある経営者に適していると言えます。

読書によるスキル向上を確実なものとするためには、読書を習慣付けることが不可欠です。習慣化を実現するために有効となるポイントについて見ていきたいと思います。

まず第1点として、現時点における自身の習熟度に適合した書物を読むことが挙げられます。最初から難解な書物に挑んだとしても理解が追いつかない故に、実際の経営業務に活かすことが適いません。また、読書そのものがストレスとなり、その習慣付けが難しくなることでしょう。

そういった事態を回避するには、まずは己のレベルに合った理解しやすい書籍からスタートし、読書経験のアップに合わせて徐々にレベルを挙げていく読み方が有効です。

続いて、得られた知識を実践で活用してみることも重要なポイントです。本を読んでインプットしただけの知識では、時間の経過とともにその内容を忘れてしまいかねません。しかし学習内容を実際の業務に活用することで、知識として定着しやすくなります。

現時点の業務では活用しにくい内容に関しては、本を読んで理解した内容を要点化し、それを自らの手でテキストにまとめることも有効です。得た知識を文書上にアウトプットすることで考えがまとまり、それによって理解度が増します。

また、折を見てそのテキストに目を通すことにより、同じ本を改めて読み直す手間を省きつつ知識を定着させることも可能となります。

経営のプラスとなる発想力を培うための読書

事業関連および経営手法関連の分野など、経営者の役割に有効な知識を一通り身に付けた後には、もう1段ステップアップした読書を取り入れていくことが有効です。

読書から得られる効果は、既存の情報やノウハウを習得することだけに留まりません。自らの頭で考え、自己流の見解を導き出すという発展的効果を見出すこともできます。つまり、読書を通して物事の考え方を学ぶという、専門分野の知識よりも根本的な知的能力について訓練することも可能というわけです。

1つの事物に対し様々な角度からの見方や考え方が身に付けられれば、それを基として新たなるアイディアを創造する能力すなわち発想力が高められます。

そうして得られた発想力を企業経営に転用することで、事業に関して画期的なアイディアを見出す余地が生まれます。見出された新発想を事業に有効活用できれば、経営的に多大なプラスとなることでしょう。

まとめ

以上のように、経営者にとって読書は、自らの知識とノウハウを高め、さらに経営を優位に導く発想力の向上にも繋がる有意義な行為であることを見てまいりました。

現在、様々な分野で活躍する著名な経営者もその多くがかなりの読書家として知られています。読書から獲得した多くの知識と経験が、彼らが持つ経営手腕の源泉とも言えるわけです。