内部統制に関わる【雇われ社長】が抱えるリスク

経営者のリスク

【雇われ社長】は、責任の重い立場として存在していますが、リスクは、オーナーと変わらない立場にあります。内部統制においても責任の立場は同じでことです。今回は、内部統制についての紹介と【雇われ社長】のリスクについて説明いたします。

■内部統制のしくみ

会社での経営陣や全社員は、守るべき事がらを会社法や金融商品取引法によって、内部統制の導入や報告をすることが義務付けられています。これは、企業の不祥事におけるリスクを、自社の信頼や評価を守るために、ひいては日本経済への影響を及ばさない為の経営者の義務となっています。

◎内部統制の定義とは
内部統制とは、会社に関わる経営陣および全社員が守るべきルールや仕組みのことですが、「事業活動に関わる法令等の遵守」、「財務報告の信頼性」、「資産の保全」などを目的に遂行する為のプロセスを定義としています。企業の理念や日常のルールが会社を保全する為に対応や見直しも求められています。

■コーポレートガバナンスとの違い

「コーポレートガバナンス」は、企業と関わる全ての株主や投資家、従業員といった、企業の利害関係者を守るための取り組みの事です。「日本取引所グループ」が「コーポレートガバナンス」の取り組みと開示を義務化して報告書制度の施行を行っています。「コーポレートガバナンス」の目的は、企業経営の統制と監視体制の強化による「企業活動の公平性と透明性」を行う事です。(株主の保護を目的です。)一方、「内部統制」は、企業内のルールや仕組みを執り行う事が企業の保護を目的としている違いが見てとれます。

◎内部統制との共通する役割は
情報の開示による透明性や、財務報告の信頼性においては「内部統制」と「コーポレートガバナンス」は共通する役割を担っています。企業が抱えるリスクを未然に防ぐための運用方法と言えるものです。

■【雇われ社長】が抱えるリスクは

内部統制のしくみは、企業の不祥事におけるリスクを守る為の経営者の義務なのです。これは、【雇われ社長】と言えども「経営者の義務」と同じ責任を果たさなければなりません。オーナーや株主にとって都合の悪い事件が起こった場合には、【雇われ社長】が矢面に立たされ責任を果たす為だけの立場となりかねないのです。

内部統制を【雇われ社長】が危惧しても、実際に管理の実行にあたるのは役職者や社員なのでリスクは常に存在することになります。内部統制は、法律の整備が行われても企業の不祥事が起こっている事実があります。

その対応には環境の整備と強化を常に意識することが、【雇われ社長】にも必要となっています。具体的には、監査役、監査委員会の設置や公認会計士の監査、「監査基準委員会の導入」による内部統制の強化が必要です。

内部統制は、オーナーや経営陣のトップが、無視したり無効にするケースも考えられます。【雇われ社長】は実権を持たない場合が多いので内部統制によるリスクは体制の強化に心がける事が大事でしょう。経営者のリスクに対する保険も用意されているので利用することをお勧めいたします。