会社の「筆頭株主」とは、発行済み株式に対して議決権をもっとも多く保有している株主です。
企業経営において「もの言う株主」は見過ごすことのできない存在ですが、筆頭株主はまさにこの「もの言う株主」であり、資金を多く投資しているため経営に対する発言が多いこともめずらしくありません。
大量株を保有する大株主は、企業の経営方針を左右することもあるため注意が必要といえますが、筆頭株主を含む大株主とは一体どのような存在なのか、大株主の種類や権利・責任について解説していきます。
大株主とは
「大株主」とは、企業の株式の大多数を保有する株主であり、株式保有割合が高い法人や個人のことです。
何%以上の株式保有であれば大株主と呼ぶといった明確な基準はありませんが、経営者や他の株主にとっても注目しておきたい存在といえます。
大株主と呼ばれる株主は主に次の3つです。
・支配株主
・筆頭株主
・主要株主
それぞれ説明していきます。
支配株主
「支配株主」とは、株式の過半数を保有している株主です。
法人株主が支配株主である場合、通常は親会社とされています。
意思決定を左右する影響力がある株主のため、支配株主のいる上場企業は、支配株主に関しての事項を開示しなければなりません。
筆頭株主
「筆頭株主」とは、議決権がある株式を最も多く保有する株主です。
創業者やその一族が筆頭株主であることが多いですが、会社の意思決定に影響する株主のため、上場企業の筆頭株主が異動したときには開示することが義務づけられています。
主要株主
「主要株主」とは議決権のある株式10%以上を保有している株主です。
経営方針を左右する可能性がある議決権を行使し、株主総会で意思決定に関与することができる株主のため、「大株主」と呼ぶこともあります。
株主の権利と責任
株主は企業経営に参加することはありませんが、保有株式数に応じた「株主権」があるため、間接的に経営に参加することはできる権利を持っています。
そして株主は、出資した資金の範囲で責任を負っています。
株主が保有する株式は、企業の業績が落ち込み株価が低下することもありますが、この場合、株主は株式価値が毀損されることによる損失を被ってしまいます。
出資された資金は企業の財産になるため、仮に倒産しても返還されない恐れもあります。
これは、株主が出資した出資金の範囲内で責任を負うと言い換えることもでき、出資した資金以上の責任は問われないともいえます。
たとえば会社の借金が増えて債務超過で倒産した場合、株主に出資金は払い戻してもらえない可能性が高いといえます。
ただし株主は出資金以上の責任は負う必要がないため、会社の代わりに借金を返済したり従業員に給与を支払ったりする必要はありません。