とても大きなイベントとも言える会社の事業承継ですが、失敗してしまうとせっかく努力して築き上げてきた事業の価値を失うことになりかねません。
そのため慎重に計画を進めて行く必要がありますが、ただ単に現社長が引退して新しい社長に引き継げばよいというわけではないので、会社が儲けることができる仕組みを壊すことなく後継者に引き継ぎができるように自社株式を譲渡することが必要です。
親族内の事業承継なら誰に相談する?
事業承継は経営だけでなく、税務などの知識も必要になるので専門家などに相談することが望ましいと言えます。
例えば顧問契約している税理士などが専門家として挙げられますが、実際にも中小企業の半数程度のオーナー経営者が、様々なことを相談する相手として税理士を選んでいます。
特に親族内の事業承継の場合、自社株式の承継に伴って税務対策する必要がでてくるからとも言えるでしょう。
M&Aを検討している時の相談相手は?
もし親族内に後継者が存在しないのであれば、第三者に対して会社を売却するといったM&Aなどを検討することもあるでしょう。しかしこの場合もやはり税理士などに対して相談するケースが多いようです。
税理士は会社の内部事情に精通していることに併せて、専門的な知識を持っていることから選ばれるようです。
もしもM&A仲介業者に相談するなら・・・
しかし実際に現場では、積極的にM&Aを支援する税理士は少ないので、結局はM&A仲介業者などに紹介するといった形になることが多いようです。
もしもM&A仲介業者に相談する時、あまりに安い価格で会社の売却を勧められた時などは注意しましょう。
M&A仲介業者には売却を希望する客だけでなく、買収を希望する客も存在していることを理解しておく必要があります。信頼できる業者を見つけて相談することが重要だと言えるでしょう。
銀行への相談も必要になる
また、中小企業のオーナー経営者は、会社の借入金の連帯保証人になっていることが一般的だと言えますので、会社を売却する際には債務保証を解除してもらうように銀行に事前相談しておく必要もあります。
元気な経営者は事業承継対策が遅れる?
まだまだ元気で働けると考えているオーナー経営者ほど、引退する時期が遅れて事業承継対策もいつまでも行わない傾向が強いと言えるでしょう。
しかし高齢になってからでは親族に後継者候補がいても、後継者教育などを十分行うことができない可能性がありますので、早めに対策をしておく必要があります。
相続税対策は事業承継の方法によって異なる
会社の親族内承継を行うなら相続税の負担を軽減するため、自社株式の相続税評価を引下げるといった対策が必要になるでしょう。M&Aであればなるべく高く売却できるように、自社株式の価値を高くする経営戦略を必要とします。
なるべく早期に対策を講じることが必要
もしも業績が好調であれば会社を長く続けたいと考えるオーナー経営者がほとんどですので、仮に後継者が存在していなくてもM&Aによる売却を決めることは心理的に難しくなります。
しかしいずれにしても早い段階で基本的な方針を決めていき、実現に向けての対策を講じることが必要であることを理解しておきましょう。
親族内への承継についてもM&Aでも、タイミングを見失ってしまえば最悪の場合、廃業や倒産といった事態に陥る可能性もあります。
なるべく早く事業承継について相談をしていき、対策を講じていくことが必要です。