中小企業の事業承継問題は、次世代に経営を継がすために必要な技能やノウハウが引継がれなくなっているという問題も抱えています。
国や公的機関で実施されている中小企業振興政策の中心は、補助金や投資優遇税制など支援策ばかりで、中小企業の経営立て直しに有効なんか、真の産業強化に繋がっているか判断が難しい状況です。
このままでは中小企業は事業承継で立ち止まる事になり、会社数も減少する可能性があると考えられますが、その理由について確認していきましょう。
事業承継ができずに廃業する中小企業が続出!
2017 年度中小企業白書を見た場合、中小企業の経常利益は過去最高を記録しているものの、売上推移は景況感が改善されている傾向にあってもマイナス続きです。
中小企業数も2009 年420万社、2012年385万社、2014年は381万社と、毎年約28千社減少が続いている状況です。しかも業績不振による倒産が8千社であるのに対し、あとの2万社は事業承継ができず休業や廃業という選択をしたケースです。
日本の人口自体が減少している
日本の人口は減少し続けていますが、今後さらに減少は加速していきます。
総人口の減少より生産人口比率の急激な減少が最も問題視されており、若い働き手が減ってしまうという事は消費する人口も減るという事なので、家も車も家電製品も何も売れなくなって景気は一気に減速してしまいます。
事業を承継する後継者も存在せず、さらに労働力不足するとなれば、市場も海外に目を向けていかなくては生き残れなくなる可能性も出てくるでしょう。
今後は会社数も少なくて良い状況に?
労働力の不足で市場規模が縮小されれば、会社数はさらに減少していくと考えられます。しかし働き手がいなくなるのなら、2035年の会社数や国内販売数は今の半分で足りる事になってしまうと考えられるでしょう。
事業を継続させたいならM&Aの検討を!
後継者がいない、働き手もいないではこのまま事業を継続する事はできません。しかし事業承継で会社を次世代に引き継ぎたいと考えるなら、今後はM&Aによる事業承継が一気に増える事も予想されます。
会社数を減少させても大きな事業単位に縮める事により、業績を効率的に上げる事ができて事業規模の拡大や成長戦略の実践が可能になると考えられるでしょう。
後継者がいない会社は廃業という選択をする前に、今働いている従業員の雇用や技能を無駄にする事の無い様、M&Aを検討して次世代に引き継いでいく事も検討が必要です。