実際受け取ることができる年金額が知りたい場合

企業経営情報

65歳になれば受給できる公的年金ですが、実際にどのくらいの額を受け取ることができるのかとても気になるところだと思います。


3階建てのどの階がもらえる?

公的年金は、日本国内に住んでいる20歳以上60歳未満の人が加入義務になっている国民年金、サラリーマンなど会社勤めの人が加入する厚生年金、公務員や私立学校教職員が加入する共済年金の3種類があります。

年金制度は家に例えられ、よく「2階建て」や「3階建て」と言われます。1階部分は「国民年金(基礎年金)」、2階部分は「厚生年金」「共済年金」、3階には企業独自の制度である「企業年金」と公務員独自の上乗せ制度の「年金払い退職給付」で構成されています。

何で受け取り額が確認できる?

では毎月どのくらいの年金を受け取ることができるのかということですが、これはどれだけの年金保険料を支払ったかに直結します。どのくらい支払っているのかについては、自分の年金記録で確認することができます。

年金記録は毎年誕生月(ただし1日生まれの場合は誕生日前月)に「ねんきん定期便」が郵送されてきますのでそこで確認することができます。もしくは「ねんきんネット」というインターネットサービスを利用して確認することも可能です。ねんきんネットはスマホからでも利用できますし、年金記録を確認するだけでなくどのくらいの額が見込まれるかというシミュレーションを行うこともできます。

現在の受け取り額は?

参考として平成28年度の新規裁定者(67歳以下)を例にあげると、国民年金(老齢基礎年金)の1人分の月額は65,008円、厚生年金の場合は夫婦2人分の老齢基礎年金を含んだ標準的な年金月額で221,504円です。

老齢年金は20歳から60歳までの40年間全て納めている場合、65歳から満額を受け取ることができますが平成28年度の満額は780,100円です。

不安な場合は国民年金に上乗せが可能

自営業の人や厚生年金に加入していない場合には国民年金に加入することになっています。しかし厚生年金と比較すると老後の保障が少ないという現実があります。そのため国民年金に上乗せできる年金として設立されたのが「国民年金基金」です。こちらも公的年金ですし税金の優遇措置もあります。

国民年金基金に加入できる条件

建設業の場合、建設国保に加入している組合員とその配偶者で20歳~60歳未満である国民年金の第1号被保険者であることが加入の条件です。

掛金は加入する人の年齢と受取額によって決まる仕組みになっています。掛金全額社会保険控除の対象になるため、所得税や住民税の節税にも利用できますし、加入時の額から変動しませんので年齢が低いほど安い金額で加入することができます。

将来的な年金受給についてはどうなるか不明

現在受け取ることができる年金額は、「780,100円×加入月数÷480」で計算することができます。ただしこれは平成28年度の例です。将来的に年金受給額は減額されることも予想されますし、受給年齢も引き上げられる可能性もあります。将来どのくらいもらえるのか不安が多い年金に対して、自ら長期的に資産を形成していくということも必要になっています。