企業を取り巻くリスクは、業種によって多岐に渡ります。様々なリスクをカバーするために、まずどのようなリスクがあるのかを知っておく必要があります。
現場で起こりうる事故とは?
現場で起きるかもしれない事故は、漏水や建物崩壊、高所から資材が落下して通行人にケガをさせるなど、場合によっては巨大リスクに発展する可能性も秘めています。次のような「人」に対する事故が発生するリスクがあります。
・ビル外壁改修工事中、バランスを崩し隙間から資材が落ちて通行人にケガをさせた場合
・ビル建設工事中、鉄材を落下させ通行人にあたり死亡させてしまった場合
・プレハブ住宅工事現場のクレーン車が転倒し、隣家を損壊し住民にケガを与えた場合
また、「物」に対しては次のような事故が起きる可能性もあります。
・エアコン取付工事中、誤って落下させ床を傷つけた場合
・店舗の給排水工事の引き渡し後に、つなぎ目から漏水し階下の店舗に損害を与えた場合
・ビル設備改修工事中、スプリンクラーを損壊してしまい水濡れで什器備品を損壊させた場合
どちらにも共通して言えることは、損害を与えたことにより賠償責任が発生するということです。
これらのリスクに対応できる保険は?
上記のようなリスクに対応できるのは、第三者に対しての賠償責任が補償される保険です。事業遂行により負うことになった幅広い賠償リスクに対しての補償を行うのが「事業総合保険」です。
「事業総合保険」の賠償責任部分の補償
万一事故が発生した場合の信用維持に役立ちます。次のような賠償リスクに対応します。
・管理不備や業務遂行中の不注意によって第三者や財物に対する賠償責任
・製造や販売した製品・商品に欠陥があったことで第三者や財物に対する賠償責任
・他人から預かった財物に対する賠償責任
「事業総合保険」の物損害補償
物損害の備えとしても役に立ち、大切な企業の財産を守ってくれます。火災、落雷、破裂・爆発、盗難、水災(製造業は対象外)、破損・曲損、電気的・機械的事故などの際に次の対象物について補償されます。
・営業用設備・什器
・商品・製品・原材料
営業用設備や什器は一時的な持ち出し中も対象となりますし、商品・製品・原材料は指定した施設外の倉庫などに保管の場合や輸送中の場合も対象にすることが可能です。またその他の補償として、休業損失等補償により休業時にも収益を守ることができますし、費用損害もカバーできます。
事故が起きてからでは遅い!事前の備えを
法律上の損害賠償責任を負担することになった場合、企業としては大きな負担を背負うことになるでしょう。賠償責任を負わなければならないのに責任を果たすことができなければ、作業は当然ストップしてしまうでしょうし、その後の信用問題にも関わります。作業中に発生した人身や物損の事故に対応できて、営業活動や施設の所有・使用・管理に起因する事故などに対応できる保険に加入しておくことで、万が一の際に備えることができますので検討するようにしましょう。