国際物流業界を取り巻くリスクとは?

企業経営情報

企業活動を行う上であらゆるリスクが存在していますが、国際物流業界にも様々なリスクが存在します。荷主、キャリア、フォワーダー、サプライチェーンのリスクから、品質・管理・環境・労働・安全衛生・財務・情報といったマネジメントのリスク、営業や顧客サービス・マーケティング戦略・人事といった経営リスク、法的なリスク、自然災害や火災・事故などのリスクなどあげれば次から次へと出てくるほど数え切れないリスクが取り巻きます。

 

 

職場や企業を取り巻く環境の中で大事故が発生すれば企業に与える損害は大きく、存続が危うい状況に陥る可能性も潜んでいます。これらのリスクに対してどうリスクマネジメントを実行していくかが重要となります。

国際物流企業のリスクマネジメント

 実際国際物流のリスクマネジメントに関心が薄いのは、実際のところよくわからないという理由があるでしょう。しかしコストを削減に、売上を倍増させ利益を確保することに力を注いでも瞬時にしてそれらを払拭してしまう事故が発生すれば財産の全てを失ってしまう事態に陥ってしまいます。そのような事態を防ぐために企業でリスクマネジメントについて考えていく必要があります。

国際物流業界特有の業務

 国際物流は輸出入を行うので特殊な業務が必要です。輸出入通関、貿易書類作成、本船船積みなど耳慣れない業務が並んでいますが、実行するための時間や工数が必要というだけでなく業務を行う上でのミスやトラブルに対してリスクも増えることになります。もしも業務の中でミスが発生すれば、輸出入の工程を停めてしまうことになり納期が遅れることになります。国際物流業界で起こるリスクに対して様々な保険で備えることが可能です。

外航貨物海上保険

 国際貿易取引に伴って日本と外国間もしくは外国相互間航空機や船舶で輸送される貨物が、輸送中に火災、爆発、船舶、しけの座礁・乗揚・沈没、転覆、盗難、破損等といった偶然の事故で損害が生じた場合に補償してくれる保険が外航貨物海上保険です。貨物は売買されるものだけでなく商品見本や展示品といった貨物も保険の対象になっていることから、特殊貨物を除いて国際間で輸送される貨物のほとんどで契約されている保険です。

輸出取引信用保険

 製品の輸出先が拡大・多様化する中で、輸出先企業の信用リスクを自社で適正に把握するのは非常に困難です。しかしながら、輸出取引信用保険に加入すれば、信用リスクを保険会社にアウトソースするのと同様の効果が得られます(具体的には、保険契約時における海外取引先の与信限度額の設定、保険期間中における限度額の変動アラーム機能など)。輸出取引信用保険への加入は、海外事業の安定的な拡大、収益の安定化に資するだけでなく、対外信用力の向上にも繋がります。

内航輸出FOB保険

 輸出取引で貿易取引条件がFOBまたはCFR条件の場合には、輸出本船に積込むまでのリスクは売手側の手配が必要になります。内航輸出FOB保険は輸出本船積込みまで港頭倉庫での保管中や輸送中における貨物に生じたリスクに対して補償する保険です。