日本の会社が倒産すると社長はどういった末路をたどるのでしょうか。中小企業では会社が銀行などから融資を受ける場合には、社長が連帯保証人になっていることがほとんどです。そのため会社が倒産すると必然的に社長も破産するというケースが多くなります。
経営がうまくいかなくなったら
会社の経営が困難な状況になった時点で、社長は自宅などを抵当に入れ最大限の融資を受けながら会社の立て直しを行っている場合もあります。倒産してしまえば社長に残された財産はほとんどなく、このようなケースは夜逃げや家族離散という悲惨な結果になる場合もあります。
倒産した会社の従業員は?
従業員の給料が未払いのままの場合、公的機関が立て替えて払ってくれる制度がありますし、失業保険から給料の7~8割は受け取ることができます。管財人が企業整理を行いますが、簡易的な事務作業で従業員には関係がありません。しかし社長の場合にはその後収入があったとしても、毎月最低限の生活費以外の収入は管財人に没収されてしまいます。
個人保証を求めるシステムは日本だけ
会社が融資を受けるために社長が連帯保証になることを求められる国は実は日本以外ほとんどありません。最近になって日本でも個人保証を求められないケースも出てきたようですが、これはあくまでも新規分についてなのでこれまでの貸付金に対しての連帯保証を不要にしているわけではないのです。
いつまでたっても身内経営のままの理由
個人保証があるがゆえに事業継承も身内以外には絶望的というケースも多く、優秀な人材を見つけて地位を譲ったとしても銀行はもともとの社長の個人保証は抹消しないという状況です。そうなれば元社長は保証だけを抱え経営に携わることがないという状況になるため、それなら自分の子供や身内に後継していくという形をとらざるを得ないのでしょう。
倒産しないために注意すべきこと
経営が失敗しないような取り組みを行うことが必要です。業績が伸びれば支払いは増加しますので、立替などが足を引っ張ることもありますし、業務をこなしていくことができなくなり従業員を増加すれば人件費もかさみます。さらには利便性を求めて事務所を移転すれば家賃などが膨らむことにもなるでしょう。様々な支払いなどが経営を圧迫することにもなり兼ねないということも常に理解しておく必要があるでしょう。
倒産後に悲しい結末を終えないために
個人保証があることで企業の発展を阻害し、会社が再建することの妨げにもなっているケースが多く見られます。日本産業の将来を考えた場合、この個人保証を解決できるシステムを構築することが必要になるでしょう。しかし現状ではまだまだ会社が銀行融資を受ける際には個人保証が求められますので、以上の点を念頭に置いて検討する必要があると言えます。