会社経営において必要なコストは、ランニングコストとイニシャルコストに大きく分けることができます。
しかし似た呼び方であることや、どちらもコストであることは共通しているため、違いがよくわからないという方もいることでしょう。
そこで、ランニングコスト・イニシャルコスト・経費とはどのようなコストを指すのか、3つの違いについて解説していきます。
ランニングコストとは
ランニングコストとは、継続して必要となる費用であり、「ランニング(running)」には運営・経営・管理などの意味が含まれます。
支払う金額や売上の有無に関係なく、業務継続において必ず支払い続けなければならないコストといえるでしょう。
たとえば家賃など固定料金として毎月発生する費用もあれば、水道光熱費や通信費など使用量に応じて増減する変動費などもありますが、いずれもランニングコストです。
システム利用料・人件費・消耗品購入代金・保険料などもランニングコストの1つといえます。
イニシャルコストとは
イニシャルコストとは、初回にのみ負担する費用であり、「初期費用」のことです。
たとえば開発費や導入費などもイニシャルコストに含まれますが、「イニシャル(initial)」とは最初・初め・初期のという意味があるため、初期・導入費用と解釈できます。
ランニングコスト・イニシャルコスト・経費の違い
イニシャルコストとランニングコストは、発生するタイミングや支払う回数に違いがあるといえます。
イニシャルコストの場合、これから始めるときや導入するときに、契約において一度のみ負担する費用です。
しかしランニングコストは、始めた後や導入した後、利用した後なども継続して負担が必要になります。
継続するために必要な費用はランニングコストとなり、初回の一度支払うだけという場合にはイニシャルコストと分けることができるといえるでしょう。
また、ランニングコストは継続して支払いが必要になるため、経費と同じと考える方もいることでしょう。
ただ、ランニングコストに仕入にかかわる費用が含まれるものの、経費には仕入費用は計上できないため、分けて考えるべきです。
仕入は売上に直結する費用であり、たとえば製品をつくるために材料を仕入れ、その後販売して売上を計上します。
仕入販売であれば、商品購入・輸送・送料なども仕入として扱うことが必要となるため、ランニングコストと経費は分けて考えた方がわかりやすいといえるでしょう。